金輪寺(きんりんじ)九重石塔

 金輪寺(きんりんじ)(京都府亀岡市宮前町宮川)

   五重石塔と対に安置されている九重石塔で、鎌倉時代後期初めの正応五年(1292)の紀年銘がある。

金輪寺九重石塔(市指定文化財、鎌倉時代後期 正応五年 1292年、花崗岩、高さ 約24m)

初層軸部、舟形を彫りくぼめ、蓮華座に坐す四方仏を半肉彫りする(東面)
入口石段を登った境内右側に、重文 五重石塔と対に立っている 初層軸部、舟形を彫りくぼめ、蓮華座に坐す四方仏を半肉彫りする(南面)

初層軸部の四方仏は、像容から顕教四仏(東:薬師如来、南:釈迦如来、西:阿弥陀如来、北:弥勒如来)と思われる。

初層・二層部 屋根

各層屋根の上部に、上層の軸部をつくりだす形で、軒下に一重の垂木型を刻出する。屋根の軒反は強い。

初層軸部、舟形を彫りくぼめ、蓮華座に坐す四方仏を半肉彫りする(西面)
初層軸部、舟形を彫りくぼめ、蓮華座に坐す四方仏を半肉彫りする(北面) 基礎東面の刻銘から、鎌倉時代後期 正応五年(1292)の造立と知れる

基礎 東面

側面に「正応五年(1292)、歳次壬申、二月八日」と刻む

相輪は下から、伏鉢・請花・九輪・請花・宝珠。現在の相輪は新しく、鎌倉時代後期のものとは考えられず、後補と思われる。

基礎 北面

側面に大きく「願主、宮河講衆、勧進、沙弥實念」と刻む

沙弥実念の勧進で、鎌倉時代後期の初期 正応五年(1292)に、宮河に住む人たちの結衆により造立された

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金輪寺(きんりんじ)本堂

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**JR山陰本線 千代川駅より、ふるさとバス<広野行き>で「宮前(みやざき)バス停」下車、西方向へ 徒歩 約2Km。バスの本数がきわめて少ないため、事前の確認が必要。当方は、宝林寺より歩いてお参りした。約70分。

(撮影:平成19年6月10日、平成23年4月5日)