十輪寺(じゅうりんじ)十三重石塔

 十輪寺(じゅうりんじ)(京都府木津川市山城町平尾西ノ辻23)

  初層軸部 顕教四仏の南面を、釈迦如来に代わって地蔵菩薩を刻んだ例で、地蔵信仰が持ち込まれた。

十輪寺(じゅうりんじ)十三重石塔(鎌倉時代後期、花崗岩、初層軸部 高さ 47Cm 幅 47Cm)

初層軸部、二重円光形を彫りくぼめ顕教四仏を刻む(西面:阿弥陀如来)
十三重石塔は、十輪寺へ正面から入った境内の東側に立っている 初層軸部、二重円光形を彫りくぼめ顕教四仏を刻む(北面:弥勒)

初層・二層 屋根

屋根は両端で反り、屋根の上部に上層軸部、軒下に一重の薄い垂木型をつくりだす。

初層軸部、二重円光形を彫りくぼめ顕教四仏を刻む(東面:薬師如来)
南面、釈迦如来に代わり地蔵菩薩を刻む。地蔵信仰が持ち込まれている 相輪は欠失する。上層屋根の逓減に違和感があり後補か?

基 礎

上端二段で、側面は無地。宝篋印塔基礎の流用かもしれない。

初層軸部南面を、釈迦の代わりに地蔵を刻む。山城町神童子の天神社十三重石塔では、北面が弥勒に代わり地蔵が刻まれている

鎌倉時代中期以降に顕教四仏の南面(釈迦)か北面(弥勒)を地蔵菩薩にしたものがあらわれ、より現実的な地蔵信仰が持ち込まれる。東面:薬師、西面:阿弥陀。

基 壇

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十輪寺(じゅうりんじ)石仏群(室町時代)

十輪寺本堂の裏手に残っている

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*JR奈良線「棚倉駅」下車、東方向へ徒歩 約7分。

(撮影:平成19年11月11日、平成23年7月9日)