大慈寺(だいじじ)十三重石塔

 大慈寺(だいじじ)(熊本県熊本市野田1-7-1)

  現在十層で、もとは十三重石塔であったと想定されている。永仁五年塔(九重石塔)に対面して西側に立っている。

大慈寺(だいじじ)十三重石塔 (県指定文化財、鎌倉時代後期、花崗岩、高さ 367Cm)

初層軸部、舟形を彫りくぼめ顕教四仏を半肉彫りする(東面:弥勒如来)
大慈寺開山、寒厳禅師廟所の手前に二基立つ左側の石塔 初層軸部、舟形を彫りくぼめ顕教四仏を半肉彫りする(南面:薬師如来)

初層・二層 屋根

各層屋根の上部に上層の軸部をつくりだす形式。屋根は、両端で力強く反る。

初層軸部、舟形を彫りくぼめ顕教四仏を半肉彫りする(西面:釈迦如来)
初層軸部、舟形を彫りくぼめ顕教四仏を半肉彫りする(北面:阿弥陀如来) 相輪を欠失する。軸部の方向は、九十度 時計回りに進んでいる

基 礎

側面は四面とも二区に分け、各々内に格狭間をつくる。

昭和初年まで山門の外に立っていた石塔で、その特徴から対面する九重石塔(永仁五年)より、やや遅れて造立されたと思われる

基 壇

新しい石積の基壇

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大慈寺 仏殿 (七堂伽藍の中心)

仏殿は、正安二年(1300年)に建てられたが、その後、焼失・再建を繰り返し、現在の仏殿は昭和60年にかけて再建された。

大慈寺は、曹洞宗の九州総本山。弘安元年(1278)、道元の高弟 寒厳義尹(かんがんぎいん)により開山された。

層塔紀年順  吉木(よしき)九重石塔(鎌倉時代後期)  石造層塔-紀年順-目次

*JR鹿児島本線 「川尻駅」下車、南東方向へ徒歩 約26分。

(撮影:平成24年1月26日)