雲岩寺(うんがんじ)宝篋印塔

 雲岩寺(雲厳寺)(うんがんじ)(京都府与謝郡与謝野町岩屋)

  大型宝篋印塔は、隅飾り三弧別石式のもので、鎌倉時代後期の様式を持つ。

雲岩寺(うんがんじ)宝篋印塔(町指定文化財、鎌倉時代後期、花崗岩、高さ 336Cm)

塔身、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(アク:不空成就)
宝篋印塔は、標高 約130mの小高い山の山頂付近に立っている 塔身、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(ウーン:阿閦如来)

宝篋印塔は、現在京都国立博物館に展示されている雲岩寺石燈籠(鎌倉時代後期、永仁二年:1294年銘)と同時期の作品と推定されている。

笠の段型は下二段、上は別石で六段、隅飾は三弧輪郭付で内に月輪を陽刻し、やや外傾する。

塔身、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(タラーク:宝生如来)
塔身、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(キリーク:阿弥陀) 現在、笠の隅飾りは、剥落、欠失して一個だけ笠を飾っている。

基礎上 二段の段型

宝篋印塔が大型な為、基礎上端の二段の段型も別石で作られている。

基 礎 正 面

上端は別石で二段、側面は四面とも輪郭を巻き内に格狭間をつくる。大型の為、二石を合わせて作っている。

相輪は、下から伏鉢・請花・九輪・請花・宝珠で美しく完存する。塔身の四方仏種子、基礎の格狭間、笠の隅飾りなどに時代の特徴が見られる

基 礎 側 面

格狭間の形が、なんとも美しい。

笠 隅飾り、三弧輪郭付で、内に月輪を陽刻する。月輪内は、梵字を刻まない。写真右上は、剥落した隅飾り。

反花座(かえりばなざ)

宝篋印は、複弁反花座上に安置されている。

 雲岩(うんがん)岩壁観音

雲岩岩壁観音、雲岩の正面下方に刻まれている。 山頂にある巨岩で、雲岩と呼ばれている。

雲厳寺 金堂跡

雲岩寺は、天平年間 法道仙人により開基され、真言宗 雲厳寺として鎌倉時代以降繁栄する。

大永五年(1525)兵火により一宇を残し灰燼に帰す。江戸時代 臨済宗妙心寺派に改宗、雲岩寺となった。

 八幡神社(はちまんじんじゃ)石燈籠                         石仏と石塔-目次!

天 王 堂

中に安置する木造地蔵菩薩坐像(鎌倉時代)、毘沙門天立像(室町時代)、持国天立像・増長天立像(南北朝時代)は、町指定文化財。

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*北近畿タンゴ鉄道 宮津線 丹後大宮駅前から丹後海陸交通バス病院線 与謝の海病院行きに乗車、「岩屋上地会館バス停」下車、南西方向へ 徒歩 約15分。

(撮影:平成24年6月26日)