花之木(はなのき)三尊磨崖仏(岩根の磨崖仏)(三重県伊賀市大内字岩根)
花之木小学校 校門前の小道を西側(右)に向かうと旧街道があり、右手に巨大な岩に彫られた磨崖仏がある。
花之木(はなのき)三尊磨崖仏(県指定文化財、鎌倉時代後期 徳治元年 1306年、花崗岩、高さ 152Cm)
釈迦如来立像 (向かって右)。右手は施無畏印、左手は与願印で頭光を負う。両脇に、宝瓶に活けられた三茎蓮花を供花として刻む。 |
花之木(はなのき)三尊磨崖仏(県指定文化財、鎌倉時代後期)
向かって右から釈迦如来、阿弥陀如来、地蔵菩薩を厚肉彫りし、三尊の左に五輪塔を薄肉彫りする
阿弥陀如来立像 (三尊中央)。蓮華座上に立ち、来迎印を結ぶ。お顔や両手、衲衣等も細かく表現されている。 |
阿弥陀如来は極楽浄土におわし、すべての衆生を受入れ、臨終に際しては現世に来迎する。阿弥陀如来を中尊にして、阿弥陀信仰が強調される。
花之木(はなのき)三尊磨崖仏(県指定文化財、鎌倉時代後期)
釈迦は過去仏、阿弥陀は未来仏であり、地蔵は釈迦入滅から弥勒仏が下生するまでの間、衆生を救済し極楽浄土へと導く。
地蔵菩薩立像(向かって左)。右手に錫杖、左手に宝珠を持つ。両すそには、合掌する四体の供養者が彫られている。 |
花之木(はなのき)三尊磨崖仏(県指定文化財、鎌倉時代後期)
各像の両脇に蓮の花を生けた宝瓶が供花として彫られ、地蔵の右に「徳治第一年月日」(1306年)、左に「願主沙弥六阿弥」の刻銘がある
五輪塔(三尊の左側)。檀上積基壇上に、上方隅切をした枠を彫りくぼめ、高さ121Cmの五輪塔を薄肉彫する。各輪に梵字を刻む。 |
花之木(はなのき)三尊磨崖仏
磨崖仏の前は、奈良大和と伊賀を結ぶ月ヶ瀬街道が通っていた。旅人たちは、磨崖仏に向かって手を合わせたであろう。
地蔵と阿弥陀の間、二体の供養者と宝瓶三茎蓮花 | 釈迦の右側に刻まれた宝瓶三茎蓮花 |
花之木(はなのき)三尊磨崖仏(県指定文化財、鎌倉時代後期)
幅 約8m、高さ 約3mの花崗岩に、幅 210Cm、高さ 152Cm、深さ 15.2Cmの隅切をした彫りくぼみを作り、三尊立像を厚肉彫りする。
*伊賀鉄道「上野市駅前」(上野産業会館バス停)から三重交通バス 桃香野口行きに乗車、「花之木小学校前バス停」下車 徒歩 3分。バスは本数が少なく、伊賀鉄道「茅町(かやまち)駅」で無料レンタサイクルを借りるのが便利。
(撮影:平成19年8月16日、平成23年4月21日)