日神(ひかわ)墓地 阿弥陀石龕仏・種子碑

 日神墓地(ひかわぼち)石仏群(三重県津市美杉町太郎生)

   平維盛(たいらのこれもり)の子、平家六代君(へいけろくだいのきみ)の墓という伝承がある。阿弥陀石龕仏を中心に種子碑や石仏群がある。

日神墓地(ひかわぼち)阿弥陀石龕仏

日神墓地(ひかわぼち)阿弥陀石龕仏 (県指定文化財、鎌倉時代後期、大洞石:凝灰岩、高さ 120Cm)

大洞石と呼ばれる凝灰岩の表面を舟形に彫りくぼめ、線刻蓮華座上に坐す像高79Cmの定印阿弥陀如来を厚肉彫りする。

日神墓地(ひかみぼち)阿弥陀石龕仏 (県指定文化財、鎌倉時代後期)

この地に延慶三年(鎌倉時代後期 1310年)銘の石碑があり、大正初年頃 売却されたという。阿弥陀石龕仏は、その頃の作品とされている。

整った顔立ち、張りのある体躯、衲衣も的確に表現されている 頭部、肉髻は盛り上がり、白毫は表現されない。

国津神社(くにつじんじゃ)十三重石塔 初層軸部に刻まれている四方仏に像容が似ており、同じ作者の手によるものとみられている。

阿弥陀石龕仏 下部

生き生きとした曲線で線刻された蓮華座上に結跏趺坐し、定印を結ぶ。衲衣のカーブや足裏の表現が面白い。

 日神墓地(ひかわぼち)不動明王種子碑

   阿弥陀石龕仏の前方、左右に各一基立ち、内側に異なる字体で不動明王の種子「カーンマン」を薬研彫する。阿弥陀石龕仏と同じく鎌倉時代後期の作品とされる。

日神(ひかわ)墓地不動明王種子碑(県指定文化財、鎌倉時代後期、大洞石:凝灰岩)

向かって右側に立つの種子碑で、蓮華座上に不動明王の種子「カーンマーン」を刻む。

阿弥陀石龕仏及び種子碑

石龕は壊れ、前方入口左右に種子碑が立っている。種子は内側に向け異なる字体で刻まれている。

日神墓地不動明王種子碑(県指定文化財左側の種子碑、蓮華座上に図案化された不動明王の種子「カーンマーン」を刻む

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日神墓地(ひかわぼち)

二基の五輪塔と石仏群。中央右側奥に不動明王種子碑がみえる

 板碑(いたび)                                          石  仏-紀年順-目次

*近鉄大阪線 名張駅西口から三交バス 敷津行きに乗車、「飯垣内バス停」下車 南西方向へ徒歩 約25分。墓地は入口に鉄扉があり、その突き当りに石龕仏が安置されている。

(撮影:平成23年6月23日)