極楽寺墓地（ごくらくじぼち）（奈良県生駒郡斑鳩町大字法隆寺）

　　極楽寺墓地は、この地方の惣墓で、墓地の西南角にある地蔵堂の東側及び南側墓地入口の無縁仏塔に室町時代以降の板碑がある。

極楽寺墓地（ごくらくじぼち）地蔵堂 東側の板碑群

　極楽寺墓地（ごくらくじぼち）六字名号板碑（天文二十四年銘）

極楽寺墓地（ごくらくじぼち）六字名号板碑（室町時代後期 天文二十四年 1555年、花崗岩、高さ 200Cm 幅 43Cm)

地蔵堂東側の板碑。頭部山形、下に額部をつくり、身部上方に線刻月輪内に不空成就如来の種子「アク」、金剛界大日如来の種子「バン」を刻む。

身部中央に「南無阿弥陀仏」の六字名号を大きく刻み、その下に「三界万霊」、左右に下記の刻銘がある。

身部左右の刻銘：「天文廿四年（1555）　宝蔵院住　逆修」「乙卯八月日頼英法師敬白」

身部上方の種子

向かって右側に不空成就如来の種子「アク」、左側に金剛界大日如来の種子「バン」を月輪内に刻む。

　極楽寺墓地（ごくらくじぼち）六字名号板碑（弘治三年銘）

極楽寺墓地（ごくらくじぼち）六字名号板碑（室町時代後期 弘治三年 155７年、花崗岩、高さ 154Cm)

地蔵堂東側に立つ板碑で、舟形を枠取りし、中央に大きく「南無阿弥陀仏」、右に「大念仏講衆」、左に「弘治三年（1557）六月日」、

下面に多数の結縁者名を刻んでいる。

　極楽寺墓地（ごくらくじぼち）六字名号板碑（天正九年銘）

極楽寺墓地（ごくらくじぼち）六字名号板碑（安土桃山時代 天正九年 1581年、花崗岩、高さ 158Cm)

地蔵堂東側に立つ舟形板碑で、蓮華座上に大きく「南無阿弥陀仏」、右に「天正九年（1581）」、左に「七月四日」の刻銘がある。

　極楽寺墓地（ごくらくじぼち）真言板碑（慶長四年銘）

極楽寺墓地（ごくらくじぼち）真言板碑（安土桃山時代 慶長四年 1599年、花崗岩、高さ 139Cm)

地蔵堂東側に立つ板碑で、舟形を枠取りし、中央に大きく「ア・ビ・ラ・ウーン・ケン」の大日如来報身真言、右に「慶長四年（1599）」、左に「七月七日」と刻む

　極楽寺墓地（ごくらくじぼち）無縁仏塔頂上の六字名号板碑

極楽寺墓地 無縁仏塔頂上北面の石塔と板碑群

名号板碑（室町後期 天文十七年 1548年、花崗岩、高さ 150Cm)		名号板碑（室町後期 永禄十一年 1568年、花崗岩、高さ 160Cm)
刻銘：「六斎一結念仏衆十八人」、「南無阿弥陀仏」、		刻銘：「南無阿弥陀仏」、「永禄十一年（1568）」他
「天文十七年（1548）六月三日」		舟形を枠取りし、蓮華座上に六字名号を刻む

左側の板碑には、六斎念仏衆の刻銘があり、念仏信仰が盛んであったことが伺える。

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極楽寺墓地 南側墓地入口の無縁仏塔

　板碑(いたび)

＊JR関西本線（大和路線）法隆寺駅前より、奈良交通バス 法隆寺門前行きに乗車、終点「法隆寺門前バス停」下車 北方向へ約1.1Km。法隆寺夢殿の前を北方向へ行き、突き当りを左にまがり、池の土手沿いに北方向へ行くと斑鳩神社（天満宮）がある。その北側に極楽寺墓地がある。

(撮影：平成23年8月1日）