浄念寺(じょうねんじ)五輪塔

 浄念寺(じょうねんじ)(奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺北1-13-50)

  正面の各輪に、上から金剛界大日・阿閦・宝生・阿弥陀・不空成就の金剛界五仏の種子を刻んだ室町時代中期 享徳四年(1455)の在銘塔。

浄念寺(じょうねんじ)五輪塔 (室町時代中期 享徳四年 1455年、花崗岩、高さ 197Cm)

風・空輪、一石で正面に、空輪は「バン」、風輪は「ウーン」を刻む
五輪塔は、本堂に向かって右側奥、狭い空間に立っている 水輪、楕円形に近い球形で、阿弥陀の種子「キリーク」を刻む

空輪に「バン:金剛界大日」、風輪に「ウーン:阿閦」、火輪に「タラーク:宝生」、水輪に「キリーク:阿弥陀」、地輪に「アク:不空成就」の各種子を刻み金剛界五仏とする

五輪塔 火輪

軒口厚く、緩やかに反る。正面に宝生如来の種子「タラーク」を刻む

五輪塔の各輪は、通常 四面に四門の梵字を刻むか無地の場合がほとんどだが、この塔のように金剛界五仏を刻んでいるのは珍しい

五輪塔 地輪

正面に不空成就如来の種子「アク」を刻み、種子の両側に刻銘がある

刻銘:「享徳四年(1455)乙亥四月日」「地蔵講敬白

台 座

大和式の複弁反花座を設ける

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浄念寺(じょうねんじ)(融通念仏宗)

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*JR関西本線(大和路線)法隆寺駅前より、奈良交通バス 法隆寺門前行きに乗車、終点「法隆寺門前バス停」下車 北東方向へ約1Km。法隆寺夢殿の前を北方向へ行き、突き当りを右にまがり、一本目を北方向へまがると左手側に浄念寺入口の広い道路がある。

(撮影:平成23年8月1日)