興福寺(こうふくじ)三重塔(奈良市登大路町48)

  興福寺の建物の中で一番古い建物。貴族の氏寺であった歴史を物語る唯一の遺構

興福寺(こうふくじ)三重塔(国宝、鎌倉時代前期、本瓦葺、高さ 19.15m)

早朝、若い女性が芝生に座って三重塔をじっと見つめていた。穏やかな空気の中で、周りの風景にとけこんでいた。


三層部、中備えはなし

二層部、中備えは中央間のみ間斗束

二・三層の組物は三手先で脇間が白壁になっている。軒は二軒繁垂木

現在の塔は、1180年の南都焼き討ち後の再建

初層の組物は出組を用い初層平面を大きくとる。高欄のない縁をめぐらし、中央間板唐戸、脇間連子窓、中備えは三間とも間斗束


三層部、の三手先組物

初層、出組と軒(二軒繁垂木)

   興福寺三重塔の相輪(1550年 天文十九年の銘がある)(右)

塔、四隅の鬼瓦

 三重塔は興福寺で現存する最古の建物


初層、出組

初層、出組

白壁と木組みのコントラストが印象的で洗練された美しさを感じる

塔の心柱は、初層天井上から立て、初層の空間を大きくとる

初層内部は四天柱を板壁で対角線方向に仕切り、千体仏を描いている

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興福寺南円堂(重要文化財、江戸時代、本瓦葺)

三重塔に隣接して西国三十三所第九番札所として賑わう南円堂

(平成17年6月5日撮影)