正暦寺(しょうりゃくじ)(奈良県奈良市菩提山町157)
中央塔は、関東形式を育てた 大蔵派 最初の人物 大蔵安清作 額安寺宝篋印塔(文応元年:1260年銘)に意匠が酷似し、同時代の遺品とみられている。
正暦寺(しょうりゃくじ)宝篋印塔 中央塔 (鎌倉時代中期、花崗岩、高さ 203Cm)
塔身正面、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(宝生如来:タラーク) | ||
本堂前、石段の右手、石造物が集められている最上段中央に立つ | 塔身西面、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(阿弥陀如来:キリーク) |
塔身は、二重輪郭を巻き、金剛界四仏の種子を月輪内に薬研彫する。塔身上部中央に円筒型の奉籠孔があるという。
笠
笠の段型は、下一段の所を二段を別石で復元し三段、上六段、隅飾は二弧無地でやや小さく、直立する。
露盤・伏鉢
笠上に側面二区格狭間の露盤、背の低い伏鉢を残し、上部を欠失する。
塔身北面、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(不空成就如来:アク) | ||
塔身東面、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(阿閦如来:ウーン) | 笠の段数が多く、基礎側面の二区格狭間等、全体に装飾が多い |
基 礎
上端は三段、側面は四面とも二区に分かち、各々内に格狭間をつくる。
関東形式を育てた 大蔵派 最初の人物 大蔵安清作 額安寺宝篋印塔(文応元年:1260年銘)に意匠が酷似し、同時代の遺品とみられている。 |
基壇・反花座
切石の基壇上に、上端複弁反花で側面無地、やや背の高い反花座を据える。
正暦寺 本堂下石塔群
最上部に三基の宝篋印塔、左右に宝篋印塔を刻んだ板碑群が安置されている。
宝篋印塔紀年順 | 神宮寺(じんぐうじ)宝篋印塔(鎌倉時代中期) | 宝篋印塔-紀年順-目次 |
*JR・近鉄奈良駅より奈良交通バス 米谷町行きに乗車、「柳茶屋バス停」下車 東方向へ徒歩 約30分。
(撮影:平成19年12月31日、平成24年9月5日)