正暦寺(しょうりゃくじ)(奈良県奈良市菩提山町157)
正暦寺南大門跡、杉の大木の前に二体の地蔵石仏が並んで立っている。
光背に「享禄四年(1531)」の刻銘があり、室町時代後期の作品と知れる。
正暦寺(しょうりゃくじ)南大門跡 地蔵石仏(室町時代後期 享禄四年 1531年、花崗岩、像高 116Cm)
二体の内、向かって左側の地蔵石仏で、複弁反花座の上に、舟形光背を負い蓮華座上に立つ地蔵石仏を一石で刻んでいる。 |
地蔵石仏 上半部
お顔が笑っているように見える所から「笑い地蔵」と呼ばれている。
地蔵は、右手に錫杖、左手に宝珠を胸前で持つ通常の形で、表情や衲衣・錫杖頭などの細部を丁寧に表現している。 |
蓮華座・台座
蓮華座は地蔵本体と一石で、剣先状の蓮弁を刻む。台座は上端が複弁反花、側面は無地。
刻銘:「享禄四年辛卯六月日施主西音院重快敬白」 | 刻銘:「奉造立 地蔵菩薩」 |
光背の左右に「奉造立 地蔵菩薩」「享禄四年(1531)辛卯六月日施主西音院重快敬白」の刻銘がある
(向かって右側)
正暦寺(しょうりゃくじ)南大門跡 地蔵石仏(室町時代末期~桃山時代、花崗岩、像高 116Cm)
二体の内、向かって右側の地蔵石仏で、右手に錫杖、左手に宝珠を持つ通常の地蔵立像。体部は丸彫りで、円光背を含め一石で作られている |
この地蔵は、お顔が泣いているように見える所から「泣き地蔵」と呼ばれている。
蓮華座・台座
蓮華座は地蔵本体と一石で、蓮弁の先端が尖っている。台座は、上端が複弁反花、側面は輪郭を巻き内に格狭間を作る。
南大門跡、杉の大木の前に立つ二体の地蔵石仏
正暦寺(しょうりゃくじ)南大門跡 無縁仏塔群と地蔵石仏 二体
*JR・近鉄奈良駅より奈良交通バス 米谷町行きに乗車、「柳茶屋バス停」下車 東方向へ徒歩 約30分。
(撮影:平成19年12月31日、平成24年9月5日)