正暦寺(しょうりゃくじ)阿弥陀三尊石仏龕

 正暦寺(しょうりゃくじ)(奈良県奈良市菩提山町157)

   正暦寺は、九条兼家の子 兼俊僧正が、一条天王の勅命を受け正暦三年(992)に創建した。

正暦寺(しょうりゃくじ)阿弥陀三尊石仏龕 (室町時代前期、花崗岩、高さ 58Cm)

方形状板石の前面に隅切をして彫りくぼめ、蓮華座上に立つ三尊を半肉彫りする。中尊は来迎相の阿弥陀、向かって右は観音、左は地蔵。

複弁反花座(後補) 正面

台座と笠は後補。本堂石段脇、石塔群中にあったものを保護のため本堂横に移した。向かって左の脇侍が勢至菩薩ではなく地蔵になっている

複弁反花座(後補) 側面

地蔵菩薩像(脇侍)、頭光を負い、右手に錫杖、左手に宝珠を持つ 観音菩薩像(脇侍)、頭光を負い、胸前で蓮台を捧げ持つ

阿弥陀三尊の脇侍は通常、観音と勢至であるが、ここでは勢至菩薩に替って地蔵菩薩が配され、地蔵信仰が盛んであったことが伺える。

本堂横の蓮池に咲く蓮花

正暦寺(しょうりゃくじ)本堂 (菩提山真言宗)

 正暦寺南大門跡 地蔵石仏 二体                            石仏と石塔-目次!

正暦寺にある「日本清酒発祥之地」の石碑

正暦寺への道は菩提仙川に沿って進む、菩提仙川は昔、中尾川と呼ばれ、この清流を使って醸造された「菩提泉酒」は至極上酒であった。

 石  仏-紀年順-目次

*JR・近鉄奈良駅より奈良交通バス 米谷町行きに乗車、「柳茶屋バス停」下車 東方向へ徒歩 約30分。

(撮影:平成19年12月31日、平成24年9月5日)