正暦寺(しょうりゃくじ)石造層塔 二基

 正暦寺(しょうりゃくじ)(奈良県奈良市菩提山町157)

 正暦寺十三重石塔 西塔

   鎌倉時代後期の作品で、初層軸部は金剛界四仏の種子を刻み、台座は繰形座になっている。

正暦寺(しょうりゃくじ)十三重石塔 西塔 (鎌倉時代後期、花崗岩、高さ 314Cm)

初層軸部、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(正面、「タラーク」:宝生)
西塔は、本堂石段横の石塔群下段、向って左側に立つ 初層軸部、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(西面、「キリーク」:阿弥陀)

初層・二層屋根

軒は両端で力強く反り、軒下に薄い一重の垂木型、各層屋根の上部に上層の低い軸部をつくりだす。

初層軸部、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(背面、「アク」:不空成就)
初層軸部、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(東面、「ウーン」:阿閦如来) 紀年銘はなく、作風から鎌倉時代後期の作品と考えられている

基礎・台座

基礎は低く、台座は蓮弁を刻まない繰形座。

 正暦寺十三重石塔 東塔

   鎌倉時代後期の作品で、初層軸部は顕教四仏を刻み、台座は複弁反花座となっている。

正暦寺(しょうりゃくじ)十三重石塔 東塔(写真手前) (鎌倉時代後期、花崗岩、高さ 290Cm)

初層正面、二重円光背を彫りくぼめ、蓮華座に坐す釈迦如来を半肉彫りする
東塔は、本堂石段横の石塔群下段、向って右側に立つ 西面、二重円光背を彫りくぼめ、蓮華座に坐す阿弥陀如来を半肉彫りする

初層 屋根

軒は両端で力強く反り、軒下に薄い一重の垂木型、各層屋根の上部に上層の低い軸部をつくりだす。

背面、二重円光背を彫りくぼめ、蓮華座に坐す弥勒如来を半肉彫りする
東面、二重円光背を彫りくぼめ、蓮華座に坐す薬師如来を半肉彫りする 東西両塔とも相輪を欠失する。西塔と同様、鎌倉後期の作品

基礎・台座

基礎は低く、台座は上端に複弁の蓮弁を刻む。

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正暦寺 本堂下石塔群

中央上段に宝篋印塔、下段左右に十三重石塔が配されている。

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*JR・近鉄奈良駅より奈良交通バス 米谷町行きに乗車、「柳茶屋バス停」下車 東方向へ徒歩 約30分。

(撮影:平成19年12月31日、平成24年9月5日)