奈良の塔

 東南院(とうなんいん)多宝塔(吉野郡吉野町大字吉野山2416)

  吉野山、修験行者の宿坊。役の行者の開基といわれている

東南院(とうなんいん)多宝塔 (指定なし、江戸時代初期、桧皮葺、一辺 4.0m)


上重、扇垂木。組物は四手先組物

下重、組物は出組。軒は二軒繁垂木

東南院は吉野山にふさわしい、役の行者により開かれたという

塔正面の鰐口には永禄七年(1564・室町時代後期)の銘がある

塔は擬宝珠高欄を付した縁をめぐらし、中央間板唐戸、脇間ガラスのはまった花頭窓、中備えは中央間のみ蛙股


九輪、宝鎖に細長い風鐸が付く

下重、出組と軒(二軒繁垂木)

多宝塔は明治初年まで和歌山県海草郡野上町の野上八幡宮にあったものを、昭和十二年にこの地に移された

東南院の東南院に隣接する丘から上千本の満開の桜をみる

霊山霊地を開く場合、開祖が中心になる伽藍を建てると同時に、巽(東南)の方角にあたる所に寺を建て、一山の興隆を祈願した


下重、中備えの蟇股

多宝塔の横に咲いていた大振りの椿の花

塔の内部は四天柱があり須弥壇を設け大日如来(写真:左)を安置する

赤色に塗装された擬宝珠高欄を付した縁側

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吉野山上千本、満開の山桜

*近鉄吉野下車、ロープウェイにて吉野山下車、徒歩約15分。桜の季節は大勢の観光客で賑わう

平成18年4月16日撮影)