十二社権現(じゅうにしゃごんげん)石殿

 十二社権現(じゅうにしゃごんげん)[奈良県宇陀市榛原区檜牧(ひのまき)字西谷]

   南北朝時代後期 文中四年(1375)の南朝年号が刻まれている石殿で、在銘石殿の貴重な古遺品。

十二社権現(じゅうにしゃごんげん)石殿 (南北朝時代後期 文中四年 1375年、流紋岩、高さ 124Cm)

石段を登った所に、三基の石殿があり、その中央の石殿。屋根・軸部・基礎で構成し、屋根は前軒を深くした前面流れの入母屋造、軸部は二石からなる。

十二社権現(じゅうにしゃごんげん)石殿 (南北朝時代後期 )

南北朝時代後期 文中四年(1375)の南朝年号を刻んでいる。当地が、南朝方の支配であることが分かる。

屋根の前方、軒裏に二個の枘穴があり、そこに向拝柱が建てられていたことが分かる。入母屋造の妻部に束を立て、上に大棟を造り出す。

軸部 正面

内部は方形にくりぬかれ、扉はもと石扉であったものが木造の後補になっている。

軸部の向かって右、柱部に南朝年号の紀年銘が刻まれている。 刻銘:「文中四年(1375)、乙卯、卯月八日」

基 礎

基礎は低く、一石で、刻銘はない。

十二社権現、入口の赤い鳥居

鳥居をくぐって、石段を登った正面に三基の石殿が安置されている。

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十二社権現(じゅうにしゃごんげん)石殿 (南北朝時代後期 文中四年 1375年)

二石の分厚い切石からなる基壇上に安置されている。

*近鉄大阪線 榛原駅前から奈良交通バス 上内牧・曽爾村役場前行きに乗車、「檜牧(ひのまき)市場バス停」下車 南西方向へ 約1.2Km。十二社権現は、西谷集落の一番奥、南側の山裾にある。

(撮影:平成23年12月22日)