神波多神社(かんはたじんじゃ)石燈籠

 神波多神社(かんはたじんじゃ)〈奈良県山辺郡山添村大字中峰山(ちゅうむざん)309〉

  石燈籠は、正和元年(1312)の在銘で、鎌倉時代後期の代表的石燈籠。

神波多神社 石燈籠 (村指定文化財、鎌倉時代後期 正和元年 1312年、花崗岩、高さ 217Cm)

請花・宝珠、請花は覆輪付単弁の蓮弁、宝珠は形が良い
装飾の多い六角型石燈籠は、拝殿の東側に立っている 火袋、やや大きく六角で、火口二面、丸窓二面、壁面 二面の構成

蕨手(わらびて)は、小さめで立ちあがりに丸みをつける。

火  袋

丸窓は蓮華文が入り、竪連子が効果的な背景になる。下方は二区で、各々に格狭間をつくる

中  台

中台は、上面に反花、下面に覆輪付単弁の蓮弁、側面は二区で走獅子を配す。

竿は円柱で、三節をつくる。中節はあまり出張らず、背面に「正和元年(1312)壬子四月十一日」「大願主良禅」の刻銘がある

基  礎

基礎は六角形で、上端に複弁反花、中央の竿受け円座の周りに小蓮弁、側面は二区に分かち各々格狭間をつくる。

刻銘:「正和元年(1312)壬子四月十一日」「大願主良禅」 石燈籠は鎌倉時代後期の代表的作品で、保存も良好

石燈籠に記された大願主 良禅は、山添村春日の不動院五輪塔(正和二年 1313年)に願主として名が残っている。

神波多神社(かんはたじんじゃ)拝殿

後の本殿(県指定文化財)は、五間社流造、桧皮葺で、江戸時代前期の建立と推定されている。

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神波多神社(かんはたじんじゃ)

神波多神社は、延喜式神名帳(927)に名を残す古社

 石燈籠(いしどうろう)

*JR・近鉄 天理駅前より三重交通バス 上野産業会館行きに乗車、「波多野神社前バス停」下車、すぐ。

(撮影:平成23年8月24日)