菅原(すがわら)神社(広代天満宮)石燈籠

 菅原神社(すがわらじんじゃ)(広代天満宮)〈奈良県山辺郡山添村大字広代(ひろだい)1120〉

  石燈籠は南北朝時代前期 建武五年(1338)の在銘で、四角型在銘石燈籠では三番目にふるいもの。

菅原神社(広代天満宮)石燈籠(村指定文化財、南北朝時代前期 建武五年 1338年、花崗岩、高さ 210Cm)

宝珠・請花、宝珠・請花は一石で作られ、宝珠の形が美しい
拝殿に向かって左側、石燈籠群の左端から二番目に立つ 火袋、四角型で、火口二面、丸窓 二面の構成

笠の軒は薄く、水平にのび、両端で反らせ、屋根に桧皮葺状の作り出しを設ける。軒裏に薄い一段の垂木型をつくる

火  袋

丸窓側の中区は、蓮華座上月輪を薄肉彫りし月輪内は穴を穿ち丸窓とする

中  台

中台は、上端に二段の請座、側面は二区に分け格狭間をつくる。下端は単弁の蓮弁を刻出する

竿(さお)は、角柱で一面に「建武五年(1338)戊寅十一月廿五日」の刻銘がある。

四角型石燈籠は鎌倉時代後期に出現し、南北朝から室町時代にかけて流行した。鎌倉時代末期 の代表的四角型石燈籠に春日大社元亨石燈籠(元亨三年

1323年)がある。南北朝時代のものは講御堂寺 石燈籠(南北朝時代 延文三年 1358年)や東大谷日女神社 石燈籠(南北朝時代 永和元年 1375年)がある。

「奈良県史 7 石造美術」(名著出版、清水俊明 著)によれば、菅原神社(広代天満宮)の石燈籠は、四角型では在銘第三位の古い石燈籠という。

基  礎

基礎上端は複弁反花座、側面は無地

拝殿横に並んだ石燈籠

左端は、江戸時代後期 天保五年(1834)の銘があり、建武五年銘石燈籠を模してつくられたもの

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菅原神社 (広代天満宮)

 石燈籠(いしどうろう)

*JR・近鉄 天理駅前より三重交通バス 上野産業会館行きに乗車、「広代(ひろだい)バス停」下車、南方向へ 徒歩 約8分。

(撮影:平成23年8月24日)