大光院(だいこういん)題目笠塔婆

 大光院(だいこういん)(岡山市中区円山1071)

  笠塔婆が題目塔に用いられた早期の例で、南北朝時代前期 康永四年(1345)の紀年銘がある。

大光院 題目笠塔婆(県指定文化財、南北朝時代前期 康永四年 1345年、花崗岩、高さ 182Cm)

大光院 大覚堂の向かって右手に立っている。笠塔婆が題目塔に用いられた早期の例で、塔身の背面を除く三面に「南無妙法蓮華経」と刻む

笠塔婆は、寛文七年(1667)に廃寺となった御津郡一宮村西辛川の「妙善寺」に安置されていたもので、曹源寺の塔頭である大光院に移建された。

宝 珠

請花を作らず、首のある形の美しい宝珠を載せる

軒反(のきぞり)は強く、上端に低い露盤を作る。

塔身、背面を除く三面に「南無妙法蓮華経」の髭題目を刻む 塔身背面は、「日妙」の百カ日供養の為、造立された旨を刻む

塔  身

塔身背面の刻銘:「大沙門日妙聖霊一百ヶ日」「康永四年(1345)乙酉」「三月十日、各々、敬白

題目の「ひげ文字」は、大覚大僧正の直筆と伝えられている。

基 礎

上端は二段の段型。側面は背面を除き、輪郭を巻き内に形のよい格狭間をつくる。

上方の刻銘:「大沙門日妙聖霊」 下方両脇の刻銘:「康永四年乙酉」「三月十日、各々、敬白

塔 身 背 面

刻銘全文:「大沙門日妙聖霊一百ヶ日」「康永四年(1345)乙酉」「三月十日、各々、敬白

大光院(だいこういん)本堂

大光院は、池田家の菩提寺 曹源寺(臨済宗妙心寺派)の塔頭として建てられた日蓮宗の寺院

比丘尼妙善 題目笠塔婆

 大光院(だいこういん)大覚堂(岡山市中区円山1071)

  大光院 題目笠塔婆と同様、もと御津郡一宮村西辛川の「妙善寺」に安置されていたもので、大覚堂の本尊として祀られている。

比丘尼妙善 題目笠塔婆(市指定文化財、室町時代前期 応永十八年 1411年、大理岩、高さ 136Cm)

大光院 大覚堂の本尊として祀られている笠塔婆で、大理石製 塔身正面刻銘:「南無妙法蓮華経」

塔身背面の刻銘:「比丘尼、妙善、応永十八年(1411)九月十日」

大光院には、「妙善寺」から移建した笠塔婆が三基あったが、一基(無銘)は西辛川の「大覚寺」の本尊として里帰りしている。

大光院(だいこういん)大覚堂

大覚(だいかく)は日蓮の孫弟子にあたり、日蓮宗を初めて岡山に伝えた。

 西大寺(さいだいじ)観音院七重石塔                       石仏と石塔-目次!

曹源寺 (そうげんじ)総門

大光院は曹源寺の塔頭で、曹源寺 総門を入った 左手にある

 笠塔婆(かさとうば)

*JR岡山駅前から両備バス 西大寺行に乗車、「曹源寺バス停」下車、北方向へ徒歩 約6分。

(撮影:平成23年9月11日)