本山寺(ほんざんじ)宝篋印塔

 本山寺(ほんざんじ)(岡山県久米郡美咲町定宗403)

   役小角の開創、頼観が大宝元年(701)頃に堂宇を建立して新山寺と称し、鑑真和尚が再興して現山寺号を定めたという。美作地方最古の天台宗寺院。

本山寺(ほんざんじ)宝篋印塔(重要文化財、南北朝時代初期 建武二年 1335年、花崗岩、高さ 182Cm)

塔身、正面のみ金剛界四仏を蓮華座上の像容で表す(定印阿弥陀如来)
本山寺境内の奥、木造三重塔の裏側(南側)に安置されている 塔身、蓮華座上に金剛界四仏の種子を刻む(アク:不空成就如来)

塔身は金剛界四仏を刻むが、正面の阿弥陀如来のみを像容で表し、他の三面は蓮華座上の種子で表している。

笠の段型は、下二段、上六段、隅飾は二弧輪郭付で内は無地

塔身、蓮華座上に金剛界四仏の種子を刻む(ウーン:阿閦如来)
塔身、蓮華座上に金剛界四仏の種子を刻む(タラーク:宝生如来) 完存する美しい宝篋印塔で、南北朝初期 建武二年(1335)の在銘

基礎 正面

基礎は上端二段、側面は輪郭を巻き格狭間内に近江文様の開蓮華を陽刻する。

束右側の刻銘:「大願主 僧覚清」

相輪はやや太く、下から伏鉢、請花(単弁)、九輪、請花(単弁)、宝珠で、伏鉢の背が高い。基礎に、近江文様が違和感なく使われている

基礎 西面

束の刻銘:「建武二年(1335)乙亥」「六月十一日」

刻銘:「大願主 僧覚清」 刻銘:「建武二年(1335)乙亥

刻銘全文:「大願主 僧覚清」「建武二年(1335)乙亥」「六月十一日」

台  座

複弁反花座の弁面が盛り上がり、鎌倉時代から南北朝時代への変化を示している

 本山寺(ほんざんじ)舎利塔                            石仏と石塔-目次!

本山寺(ほんざんじ)宝篋印塔(重要文化財、南北朝時代初期)

宝篋印塔の向かって左側奥に舎利塔(県文、康永三年 1344年)が見える。舎利塔にも同じ願主:覚清の名がある。

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*JR津山線 「弓削駅」 下車、東北東方向へ 約6Km。弓削駅前にタクシーを呼べる。

(撮影:平成23年7月18日)

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