本山寺(ほんざんじ)(岡山県久米郡美咲町定宗403)
珍しい舎利塔は、六角型石燈籠の竿を除き中台以上を基礎の上に置いた形をしており、塔身に宝篋印塔と同じ「大願主 覚清」の刻銘がある。
本山寺(ほんざんじ)舎利塔(県指定文化財、南北朝時代前期 康永三年 1344年、花崗岩、高さ 141Cm)
六角型舎利塔は、宝篋印塔の手前(東側)山裾に立っている | 請花・宝珠、一石からなり請花は単弁で、宝珠の形は美しい |
舎利塔は、六角形の基礎、単弁蓮華座、六角塔身、六角笠、請花・宝珠からなり、塔身内部は円形にくり取って舎利器を納めるようになっている。
笠
笠は六角で、上端に露盤、下端に薄い一重の垂木型、笠上は一筋隅降棟の両脇に各一筋を加え三筋の降棟を作り出す
六角 塔身
六角型塔身は装飾がなく、背面が破損している。内部は、円形にくり取って舎利器を納めるようになっているのが
破損個所からわかる。正面に「大願主覚清」「康永三年(1344)甲申六月十八日」「仏阿」の刻銘がある。
刻銘:「大願主覚清」「康永三年甲申六月十八日」「仏阿」 | 「覚清」の名は、宝篋印塔にも刻まれ、仏阿は石工名と思われる |
「舎利塔」と刻まれた古いものには、豊後大野市の鎌倉時代中期 文永十二年(1275)銘 市辺田(いちべた)八幡神社 石造舎利塔がある。
蓮華座
蓮華座は単弁で、上部に枘穴を作り、塔身下部の枘を受ける
基 礎
六角形の基礎側面は、六面とも輪郭を巻き内に格狭間をつくる
本山寺(ほんざんじ)応永六年銘 宝篋印塔 石仏と石塔-目次!
本山寺(ほんざんじ)三重塔(重要文化財、江戸時代前期 承応元年 1652年、桧皮葺、高さ 26.4m)
*JR津山線 「弓削駅」 下車、東北東方向へ 約6Km。弓削駅前にタクシーを呼べる。
(撮影:平成23年7月18日)