山陽路の塔(24)

 静円寺(じょうえんじ)多宝塔(岡山県瀬戸内市邑久町本庄4368)

 備前四十八か寺の一つ。三重塔は地元の柴田五郎兵兼久の作。塔は小ぶりだが丁寧な仕事をしている

静円寺多宝塔(県指定文化財、江戸時代初期 元禄三年 1690年、本瓦葺、高さ 12m)

多宝塔は、初層頭長押から下は寛永年間(1624〜1644年)、それ以外は元禄三年に再建された


上重部(四手先組物、扇垂木)

下重(出組、二軒繁垂木)

静円寺は、天平二年(730年)行基の創建といわれている。創建当初は、一山三十余坊を持つ大寺院であった

塔は擬宝珠高欄を付した縁をめぐらし、中央間桟唐戸、脇間正面のみ連子窓、中備えは蟇股、脇間蓑束)


上重、四手先組物

下重、本瓦葺の瓦

相輪は型の通り。この寺院の近くに、大正ロマン 画家竹久夢二の生家がある

上重、扇垂木、四手先組物、扇垂木


下重、蟇股と蛇腹軒支輪

下重、出三斗

下重、二軒繁垂木と連続した組物がなんともなまめかしい

多宝塔四隅の鬼瓦

多宝塔の内部は、四天柱をもうけ、天井は折上小組格天井、内陣に須弥壇を設ける

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静円寺本堂(桃山時代再建、単層 入母屋造、本瓦葺)

(平成16年12月19日撮影)