龍泉寺(りゅうせんじ)阿弥陀三尊板碑

 龍泉寺(りゅうせんじ)(岡山県高梁市成羽町下原370)

   高梁市有漢町の保月三尊板碑によく似た形式を持つ方柱状の板碑で、鎌倉時代後期 元亨四年(1324)の銘がある。

龍泉寺 阿弥陀三尊板碑(県指定文化財、鎌倉時代後期 元亨四年 1324年、花崗岩、高さ 159Cm)

方柱状の板碑で、幅22Cm 厚さ24Cm、頭部はもと山形、身部上方に来迎阿弥陀如来を半肉彫りし、脇侍は種子、身部下方に銘文を刻む

板碑 頭部

頂部はつぶれているが もと山形、横長の穴二個は後刻で、ここに二条線があった。

また、保月三尊板碑と同様、額部の表面左右に日月を表す月輪を薄く彫出する。

-身部上方、舟形を彫りくぼめ蓮華座上に立つ来迎阿弥陀如来、向かって右下に観音菩薩の種子「サ」、左下に勢至菩薩の種子「サク」を刻み阿弥陀三尊とする

板碑下方の刻銘 (全文) 刻銘:「元亨四年(1324)五月廿五日」

刻銘全文:上方中央に「右志者為」、その下左右に「二親徳脱乃至」「法界平等利益」

下方中央に「元亨四年(1324)五月廿五日」、その下左右に「孝子」「敬白」

故人となった両親の菩提を弔うと共に法界平等利益を願って造立された。

覆屋内の阿弥陀三尊板碑

頭部の山形、額部の月輪、身部上方の像容と下方の銘文、正面のみに彫刻や刻銘を施すなど、有漢町の保月三尊板碑によく似た形式を持つ

龍泉寺(りゅうせんじ)本堂 (真言宗)

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龍泉寺(りゅうせんじ) 鐘楼門

 板碑(いたび)

*JR高梁駅前の高梁バスセンターより備北バス 成羽(なりわ)方面行に乗車、「稲荷口バス停」下車 南東方向へ 約300m。板碑は、本堂に向かって左手奥の覆屋内に立っている。

(撮影:平成23年9月12日)