富貴寺(ふきじ)胎蔵界大日種子板碑

 富貴寺(ふきじ)[大分県豊後高田市田染(たしぶ)蕗2395]

   富貴寺入口、石段の西側奥、地面に直接 置かれている板碑で、南北朝時代中期 延文六年(1361)の銘がある。

富貴寺 胎蔵界大日種子板碑(県指定文化財、南北朝時代中期 延文六年 1361年、安山岩、高さ 135Cm)

頂部山形を欠損する。下に二条線が入り、額部は長い。身部上方に胎蔵界大日の種子「アーク」を薬研彫し、下方に銘文を刻む。

板碑 頭部

頭部山形は欠損し平になっている。下に二条線、額部(がくぶ)は突出する

身部上方 種子

胎蔵界大日如来の種子「アーク」を薬研彫する。種子の中央で折れ、修理が施されている

身部下方の刻銘

刻銘:「右志者為祐禅大徳」「延文六年(1361)七月廿五日」「七秊忌造立如件」

刻銘の「祐禅」は、文和二年(1353)大堂修造の際、棟木に名を残しているという。板碑は、七年忌の造立であるから、祐禅は文和四年(1355)に没している

尚、板碑に刻まれた年号「延文6年(1361)7月25日」の延文年は、延文6年3月28日迄で、29日から改元され康安元年になる

  富貴寺(ふきじ)阿弥陀種子板碑 残欠

頭部は低い山形、下に二条線、額部は長く突出する。身部上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」を刻み、そこから下を欠損する

  富貴寺(ふきじ)種子板碑 残欠

大日種子板碑の向かって左側に置かれている。身部上方の種子の部分で折れ、上部を欠失する。下方に銘文を刻むが、不明。

 富貴寺(ふきじ)十王石殿                             石仏と石塔-目次!

富貴寺(ふきじ) (天台宗)

富貴寺は、伝説的 僧 仁聞(にんもん)により養老二年(718)に開基されたと伝える

 板碑(いたび)

*かっては宇佐駅からの便があったが、今は廃線になっている。公共交通としては、JR大分駅前・別府駅前・宇佐駅前(同じバス)から大分交通バスの「国東半島史跡めぐり」という定期観光バスの便があるが、1日コースのツアーになり自由に時間をとれない。少し距離はあるが 頑張って、宇佐神宮前の「宇佐観光協会」で電動レンタサイクルを借りて回るという手もある。

(撮影:平成23年3月16日)