富貴寺(ふきじ)十王石殿

 富貴寺(ふきじ)[大分県豊後高田市田染(たしぶ)蕗2395]

   富貴寺入口、石段の両側に各一基置かれている石殿で、東殿・西殿の軸部に 各五体の十王像を刻み、二基一組で十王とする。

 富貴寺(ふきじ)十王石殿 東殿

富貴寺(ふきじ)十王石殿 東殿 (県指定文化財、室町時代前期、凝灰岩、高さ 130Cm)

軸部南面、輪郭内に道服を着た坐像を三体半肉彫りする 軸部西面、輪郭内に道服を着た坐像を二体半肉彫りする

東殿は、南面に三体、西面に二体の十王像、計五体刻む。西面は、二体の中央に浄玻璃(じょうはり)の鏡を刻み、冥府の庁の有様を表現する。

石殿 東殿

西面に十王像二体を刻む。屋根は入母屋造で、切妻部分の懸魚(げぎょ)まで細かく刻んでいる

石殿 屋根

屋根は入母屋造で、軒裏の垂木も一本ずつ丁寧に作り出す。軒の出は深い。

軸部北面は、無地で何も刻まれていない 軸部東面は、無地で何も刻まれていない

十王像は、正面と石段参道側に刻まれる。参詣者に見えない東面と北面は無地で、何も刻まれていない。

富貴寺(ふきじ)十王石殿 東殿 (県指定文化財、室町時代前期)

一石造で二段の基礎上に、平面が長方形の石殿を置く

 富貴寺(ふきじ)十王石殿 西殿

富貴寺(ふきじ)十王石殿 西殿 (県指定文化財、室町時代前期、凝灰岩、高さ 130Cm)

軸部南面、輪郭内に道服を着た坐像を三体半肉彫りする 軸部東面、輪郭内に道服を着た坐像を二体半肉彫りする

西殿は、南面に三体、東面に二体の十王像、計五体刻み、東・西殿合わせて十体(十王)を刻む。東面は、二体の中央に人頭幢を刻み、冥府の庁の有様を表現する。

十王は冥界で死者の罪を裁く十人の王で、初七日に秦広王、二七日に初江王、三七日に宋帝王、四七日に伍官王、五七日に閻魔王、六七日に変成王、

七七日に太山王、百箇日に平等王、一周年に都市王、三周年に五道転輪王のところで裁きを受ける。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 富貴寺(ふきじ)六面石幢                                 石仏と石塔-目次!

富貴寺(ふきじ)十王石殿 西殿 (県指定文化財、室町時代前期)

十王像は、正面と石段参道側に刻まれ、参詣者に見えるように置かれる。石殿は、当時の民間信仰を、目に見える形で説明する。

 石  仏-紀年順-目次

*かっては宇佐駅からの便があったが、今は廃線になっている。公共交通としては、JR大分駅前・別府駅前・宇佐駅前(同じバス)から大分交通バスの「国東半島史跡めぐり」という定期観光バスの便があるが、1日コースのツアーになり自由に時間をとれない。少し距離はあるが 頑張って、宇佐神宮前の「宇佐観光協会」で電動レンタサイクルを借りて回るという手もある。

(撮影:平成23年3月16日)