富貴寺(ふきじ)[大分県豊後高田市田染(たしぶ)蕗2395]
富貴寺大堂(国宝)西側にある笠塔婆四基の内、左から二基目の笠塔婆。鎌倉時代中期 文永五年(1268)の銘がある。
富貴寺(ふきじ)不動種子笠塔婆(県指定文化財、鎌倉時代中期 文永五年 1268年、安山岩、高さ 136Cm)
塔身は、上部が尖った自然石の表面を平らにし、上方に不動明王の種子「カーンマーン」を平底彫りし、下方に銘文を刻む。 |
宝 珠、
宝珠はやや先が尖った球形、下に小さめの請花を作る
笠、
傾斜はなだらか、軒口は厚い。下面の両端で反っている
塔身正面、不動明王の種子「カーンマーン」を大きく平底彫りする | 塔身正面下方、三行の銘文を刻む |
塔身正面の銘文:「造立者 広増」「文永五年(1268)」「二月八日」
笠塔婆には、「造立者 広増」の名が刻まれている。富貴寺にある五基の笠塔婆は、全て広増の名が造立者として刻まれている。
塔身下部
下部が突出し、板碑の様な形をしている
広増が文永五年(1268)に造立した笠塔婆で、左端が仁治四年(1243)の造立であるから、この笠塔婆は25年後の造立になる。 |
富貴寺(ふきじ)大堂の西横に立つ四基の笠塔婆
左端が鎌倉時代中期 仁治四年(1243)、右側三基が文永五年(1268)の造立になる
*かっては宇佐駅からの便があったが、今は廃線になっている。公共交通としては、JR大分駅前・別府駅前・宇佐駅前(同じバス)から大分交通バスの「国東半島史跡めぐり」という定期観光バスの便があるが、1日コースのツアーになり自由に時間をとれない。少し距離はあるが 頑張って、宇佐神宮前の「宇佐観光協会」で電動レンタサイクルを借りて回るという手もある。
(撮影:平成23年3月16日)