上岡(かみおか)十三重石塔

 上岡(かみおか)十三重石塔(大分県佐伯市上岡)

   水地(王子)九重石塔と同形式の石塔で、初層軸部の四面に三尊立像を刻み、二層以上の軸部に如来坐像を刻出する珍しい形をした石塔。

上岡(かみおか)十三重石塔(県指定文化財、鎌倉時代中期、凝灰岩、相輪を除く高さ 758Cm)

十三層屋根、上端の露盤は側面二区で内に格狭間をつくる
十三重石塔は、JR上岡駅北方の小高い丘の上に立っている 二層以上の軸部、四面とも扉を開いた中に如来坐像を刻む

初層軸部 正面(東面)

輪郭を巻き、内部を彫り下げ、蓮華座上に立つ三尊像を半肉彫りする。中尊の光背は、鳥の羽根を重ねたような珍しい形。

水地(王子)九重石塔と同形式で、同塔を発展させた形といわれる 三尊の頭部は破損するが、尊像は細かく表現され美しい

昭和26年の台風で倒れ、復元の際、塔下より鎌倉時代の瀬戸の壺や他に十数個の陶製蔵骨器が発見され、

中世にこの地に拠っていた佐伯氏一族にかかわる供養塔と考えられている。

初層軸部 南面

中尊は如来形で鳥の羽根型の光背、脇侍は菩薩形で頭光を負い、二重の立派な蓮華座上に立つ。

初層軸部 背面(西面)の三尊像 初層軸部 北面の三尊像

各面の三尊立像は顕教四仏の三尊で、薬師三尊(東)、釈迦三尊(南)、阿弥陀三尊(西)、弥勒(北)と思われる。

屋 根

屋根は緩やかに反る。各層屋根の上部に、背の低い上層の軸部をつくりだし、軸部の四面に如来坐像を刻む。

相輪は後補で、十三層上端の露盤上に立つ。下から伏鉢、請花、九輪、請花、宝珠。後補の為か、おとなしくシンプルな形になっている。

十三重石塔 基礎と基壇

一重基壇上の基礎は、檀上積式で側面二区、各々格狭間をつくる。

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上岡(かみおか)十三重石塔

JR上岡駅の北方約200mの小高い丘の上に立つ十三重石塔

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*佐伯駅前から大分バス 大分県庁前行きに乗車、「上岡バス停」下車、反時計回りにぐるっと道をまわって、北方向へ 徒歩 約8分。JR上岡駅へ停まる電車は極端に少ない。

(撮影:平成23年3月11日)