足立家(あだちけ)石造宝塔 (六種宝塔)

 足立家(あだちけ)石造宝塔(六種宝塔)(大分県豊後大野市清川町六種)

   六種(むくさ)宝塔とも呼ばれている美しい石塔で、鎌倉時代後期 嘉暦二年(1327)の紀年銘がある。

足立家(あだちけ)石造宝塔(県指定文化財、鎌倉時代後期 嘉暦二年 1327年、凝灰岩、高さ 210Cm)

露盤、壇上積式の形で、輪郭内に格狭間をつくる
塔身が平面方形で、四隅を大きく面取りし、面取り部に刻銘を刻む 塔身首部、首部は一段で、側面は無地

笠は勾配があり、軒口厚く、両端で力強く反る。上端に露盤、軒下に一重の垂木型を刻出する

塔身正面中央に「妙法蓮華経」の刻銘 塔身背面:「嘉暦二(1327)二月日、大願主頼行」の刻銘

塔身の正面に「妙法蓮華経」、背面に「嘉暦二(1327)二月日、大願主頼行」の刻銘がある

基 礎

壇上積式の基礎で、側面は輪郭内に格狭間、内部は空洞をつくっている。

塔身 四隅の刻銘 (剥落し同文塔で推定):「得見此塔」 塔身 四隅の刻銘:「礼拝供養」

塔身四隅の面取り部に刻銘があり得見此塔」、「礼拝供養」、「当地是等」「阿耨菩提」と法華経 法師品に出る偈(げ)が刻まれている

偈(げ):「得見此塔(とくけんしとう)礼拝供養(らいはいくよう)当地是等(とうちぜとう)阿耨菩提(あのくぼだい)

[ この塔を見ることを得、礼拝し供養すれば、まさに知るべし、これ等は皆、菩提(悟り)に近づけることを ]

塔身 四隅の刻銘:「当地是等」 塔身 四隅の刻銘:「阿耨菩提」 相輪は、下から伏鉢・請花・九輪・請花・火焔宝珠

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足立家(あだちけ)石造宝塔 [六種(むくさ)宝塔](県指定文化財、鎌倉時代後期)

宝塔は、杉林の中、コンクリートブロックに囲まれて立っている

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*清川町六種(むくさ)、合川郵便局前の交差点を西(県道634号線)方向に下った所に小さい案内板があり、そこを左折する。案内板に従って、小道を歩き、民家の玄関前を抜け、西側の杉林の中に入ると、コンクリートブロックに囲まれて立っている。私の場合は、緒方町の「俚楽(りがく)の郷 伝承体験館」で、自転車を借りて行った。

(撮影:平成23年3月13日)