板井家(いたいけ)石幢(大分県豊後大野市清川町宇田枝1508-2)
基礎・幢身・中台・龕部・笠・請花がすべて平面四角形の石幢で、法華経一千部読誦供養の為 室町時代中期 永正十三年(1516)に造立された。
板井家(いたいけ)石幢(県指定文化財、室町時代中期 永正十三年 1516年、凝灰岩、高さ 270Cm)
宇田枝石幢から南西 約450m、県道688号線沿いに立っている | 請花・火焔宝珠、請花は四角で、側面に月輪を線刻する |
笠
笠は勾配が緩く幅が広い。軒は両端で反り、軒下に垂木型、頂部に露盤を作り出す。
笠裏中央は彫下げ、龕部を受ける。軒下の垂木型は、二重で下段は垂木の形を彫る。
龕部 東面、六地蔵の二尊を刻む | ||
龕部 南面、龕部は四面で、三面に六地蔵、他の一面に二躰を刻む | 旧 清川村で唯一紀年銘のある石幢(六地蔵幢)で、県の指定文化財 |
龕部 正面(西面)
六地蔵の二尊を刻む。龕の枠面に「宝山良榮信男」「惟清妙泉禅女」の結縁名を刻む
中台、中台も平面が四角で、笠と対称の立体形 | ||
幢身(部分)、竿の一面に銘文を刻む | 竿上部、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む |
幢身の銘文:「以南閻浮提大日本国西海道豊後刕、大野郡緒方庄宇田枝於当村法華一、千部供養口口等口仍、
奉建立六地蔵一宇現世安穏、後生善処也」「干時永正十丙子三秊(1516)二月吉日」「本願宝伝慶集記室禅師施主敬白」
室町時代中期 永正十三年(1516)二月に法華経一千部読誦供養の為、六地蔵を建立し、併せて現世の安穏と後生の善処を願った。
基 礎
方形で、かなり傷んでいる。表面に盃状穴(はいじょうけつ)という小さな窪みがある
龕部 (東・北面)
龕部、北面の枠面に「祐忍信女」の法名を刻む
*JR豊肥本線 豊後清川駅前から大分バス 市民病院行き乗車、「下市バス停」下車、南方向へ 約2.5Km。宇田枝石幢から、県道688号線に入り約400m。
(撮影:平成23年3月13日)