真木大堂(まきおおどう)古代公園 [大分県豊後高田市田染(たしぶ)真木1796]
真木大堂の「古代公園」にあり、二童子まで刻んだ立派な庚申塔。庚申信仰が最も盛んであった江戸時代中期の作品。
真木大堂 古代公園庚申塔(市指定文化財、江戸時代中期 享保十三年 1728年、安山岩、高さ 170Cm)
基礎・塔身・笠からなり、塔身に一面六臂の青面金剛と脇侍の童子像を蓮華座上に、下に三猿・二鶏、四夜叉、下部に講中の名を刻む |
庚申信仰は、中国の道教思想と仏教が混淆して生まれたという。道教では、人間の体内には罪悪を監視する三尸(さんし)と呼ばれる三匹の虫がが住んで
いるとし、六十日間で一巡する干支(かんし)の庚申(かのえさる)にあたる日の夜、人間が眠った隙をみて体内から抜けだし、天に上り天帝にその人間の罪
過を報告する。天帝は、三尸の報告に基づき、罪の大小に応じて人間の寿命を短くする。そこで、庚申の夜は身を慎んで徹夜をすれば、長生きできるという
庚申信仰が生まれた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
笠
笠は寄棟造、塔身上部に日・月の円輪と瑞雲を刻む
塔身、六臂の青面金剛、二童子、三猿、二鶏、四夜叉 | 両側面に「享保十三戊申天」「八月吉祥日」の刻銘 |
三猿は、「見ざる・言わざる・聞かざる」の猿で庚申塔のシンボル、二鶏は夜明けを告げる鶏、四夜叉は青面金剛の従者。
塔身下部
講中の名が刻まれている
真木大堂(まきおおどう)古代公園 板碑・宝篋印塔
阿弥陀三尊種子板碑 | 宝篋印塔、縦長の塔身、隅飾りのない笠 |
板碑は、頭部山形、下に二条線、額部突出、身部上方に阿弥陀の種子「キリーク」、下に観音・勢至の種子「サ」・「サク」を刻む
真木大堂(まきおおどう)古代公園 横嶺庚申塔
真木大堂(まきおおどう)古代公園 横嶺庚申塔(江戸時代中期 享保二年 1717年、安山岩、高さ 約210Cm)
塔身正面に、日・月の円輪、一面六臂の青面金剛、二鶏、三猿、四鬼を刻み、側面に「享保二丁酉天、十一月初十日」の刻銘がある |
真木大堂(まきおおどう)古代公園 国東塔
真木大堂(まきおおどう)古代公園 国東塔(南北朝時代末期、安山岩、高さ 160Cm)
相輪頂部欠損、笠は緩やかに反り、塔身は首部がない。基礎上端に反花座を一石で刻み、その上に別石で請花を置く
*かっては宇佐駅からの便があったが、今は廃線になっている。公共交通としては、JR大分駅前・別府駅前・宇佐駅前(同じバス)から大分交通バスの「国東半島史跡めぐり」という定期観光バスの便があるが、1日コースのツアーになる。少し距離はあるが 頑張って、宇佐神宮前の「宇佐観光協会」で電動レンタサイクルを借りて回るという手もある。
(撮影:平成23年3月16日)