市辺田(いちべた)八幡神社(大分県豊後大野市三重町赤嶺990)
層塔の初層軸部とも笠塔婆の塔身ともいわれている。軸部に舎利塔と刻まれ、京都 高山寺の如法経塔的なものであったと思われる。
市辺田八幡神社 石造舎利塔(旧 町指定文化財、鎌倉時代中期 文永十二年 1275年、凝灰岩、塔身高さ 59Cm)
境内東側、石造多宝塔と一列に安置する。塔身は、舟形を彫りくぼめ線刻蓮華座上に顕教四仏を半肉彫りする。(正面:薬師如来坐像) |
笠
笠上の宝珠請花・露盤は後補で、軒口薄く緩やかに反る笠も後補と思われる
顕教四仏、釈迦の面(北面)に「敬白、奉造立舎利塔一基」の刻銘がある。舎利塔とあり高山寺の如法経塔的なものと思われる |
舎利塔
北面から南面にかけて塔身が割れている
舟形を彫りくぼめ顕教四仏を半肉彫りにする(背面:阿弥陀如来) | 舟形を彫りくぼめ顕教四仏を半肉彫りにする(南面:弥勒) |
背面 阿弥陀如来の左右に刻銘があり、鎌倉時代中期 文永十二年(1275)の造立と知れる。大分県下でも古い塔に属する。
刻銘:「為口口林坊口口敬白」 | 刻銘:「文永十二(1275)乙口十月十日」 |
塔身(背面)の刻銘
尚、現地の説明板では紀年銘が文永二年(1265)となっていた。ここでは、十月十日の十の字が、文永十二年の十の字と同様という、望月友善氏の説をとった。
市辺田(いちべた)八幡宮
*JR豊肥本線「三重駅」下車、東方向へ 約1Km。
(撮影:平成23年3月12日)