川辺(かわべ)石造宝塔(大分県豊後大野市三重町川辺186-1)
逆修講の人達が、室町時代初期 明徳四年(1393)に造立した。「玄正」亡き後の、玄正系石大工による作品。。
川辺(かわべ)石造宝塔(県指定文化財、室町時代初期 明徳四年 1393年、凝灰岩、高さ 235Cm)
塔身、四面に金剛界四仏の種子を刻む(正面、キリーク:阿弥陀如来) | ||
川辺循環バス 「ダム入口バス停」近く、道脇の一段高い所にある | 塔身、四面に金剛界四仏の種子を刻む(左面、アク:不空成就如来) |
塔身に刻まれた金剛界四仏の種子は、字体が脆弱で力強さがない。
笠
軒は両端で反る。軒下に一段の垂木型、頂部に竪連子と文様の入った露盤を作り出す。
塔身、四面に金剛界四仏の種子を刻む(背面、ウーン:阿閦如来) | ||
塔身、四面に金剛界四仏の種子を刻む(右面、タラーク:宝生如来) | 作品の弱さが見え、美術的な退行期に入った作品 |
地元では「しろべえさま」と呼ばれている。(現地説明柱)
塔身の刻銘、①: (「キリーク」と「アク」の間)
刻銘、①:「敬白」、「逆修講之人数」、「彦六 藤九郎、張三郎 八郎二郎、八郎太郎、八郎六郎 彦二郎」
刻銘 :③(「タラーク」と「キリーク」の間) | 塔身の刻銘:② (「アク」と「ウーン」の間) |
塔身の刻銘
刻銘、②:「新五郎、八郎三郎、妙悟三郎二郎」、「明徳二二(四)年(1393)癸酉十月廿二日」、「大願主各、敬白」
刻銘、③:「妙光 玄法」、「妙林 源氏女増一女」
逆修講の人達が、室町時代初期 明徳四年(1393)に造立した。「玄正」亡き後の、玄正系石大工による作品。
相輪は下から、伏鉢、請花、九輪、請花、火焔宝珠で、伏鉢と下の請花は二重枠取りの蓮弁。笠下や塔身、基礎に朱の顔料が残っている |
基 礎 正 面
基礎は切石の基壇上に置く。基礎正面は二重輪郭内に図案化された文様、両側面は格狭間をつくる
塔身首部、一段で無地の首部を作る | 笠露盤、中央に図案化された文様、両脇が竪連子 |
国東塔 (昭和57年:1982年)
三重町上田原の道沿いに安置されていた新しい国東塔。種子は正面の「キリーク(阿弥陀如来)のみ。
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*JR豊肥本線 三重駅前から大分バス 川辺循環バス乗車、「ダム入口バス停」下車、すぐ。道路脇、一段高くなった所に立っている。
(撮影:平成23年3月12日)