菅尾磨崖仏(すがおまがいぶつ)(大分県豊後大野市三重町浅瀬466)
向かって右から、多聞天、十一面観音、阿弥陀如来、薬師如来、千手観音を刻む。多聞天を除く四像を熊野権現の本地仏として「岩権現」と呼んでいる。
菅尾磨崖仏(すがおまがいぶつ)(国史跡・重要文化財、平安時代後期、凝灰岩、千手観音 191Cm)
菅尾(すがお)磨崖仏・十一面観音坐像
菅尾(すがお)十一面観音坐像(国指定史跡・重要文化財、平安時代後期、凝灰岩、高さ 184Cm)
裳懸座上に坐している。頭上に十一面の仏面をいただき、右手に蓮華、左手に数珠を持つ。肉取りも豊かに、丸彫りに近い厚肉に彫られる。 |
菅尾(すがお)磨崖仏・阿弥陀如来坐像
菅尾(すがお)阿弥陀如来坐像(国指定史跡・重要文化財、平安時代後期、凝灰岩、高さ 178Cm)
裳懸座上に坐し、定印を結ぶ。ゆったりとした体部に顔は円満相で、衲衣や螺髪など細かく表現される。こちらも丸彫りに近い厚肉彫り。 |
菅尾(すがお)磨崖仏・薬師如来坐像
菅尾(すがお)薬師如来坐像(国指定史跡・重要文化財、平安時代後期、凝灰岩、高さ 174Cm)
裳懸座上に坐し、右手は施無畏印のように掌をあげ、左手に薬壺を持つ。後壁に二重円光を薄肉彫りし、舟形光背を朱(ベンガラ)で彩色する。 |
裳懸座(もかけざ)
十一面観音、阿弥陀如来、薬師如来、千手観音の四体が、この裳懸座の上に坐している
菅尾(すがお)磨崖仏・千手観音坐像
菅尾(すがお)千手観音坐像(国指定史跡・重要文化財、平安時代後期、凝灰岩、高さ 191Cm)
頭上に化仏をいただき、手は四十二臂で表現される。いろんな持物(じもつ)を持った手を円形に揃えている。お顔は円満相で、豊かに表現される |
裳懸座(もかけざ)に坐す四体の磨崖仏
熊野三所権現の各祭神である家津御子(けつみこ)神(本地仏:阿弥陀)、速玉神(本地仏:薬師)、夫須美(ふすみ)神(本地仏:千手観音)
に五所王子の第一位である若王子(にゃくおうじ)(本地仏:十一面観音)の本地仏 四像を熊野権現の本地仏として「岩権現」と呼んでいる
菅尾(すがお)磨崖仏・多聞天立像
菅尾(すがお)多聞天立像(毘沙門天)(国指定史跡・重要文化財、平安時代後期、凝灰岩、高さ 198Cm) |
多聞天は向かって右端に、四像に従う形で半肉彫りされている。動きのある表現で、兜だけが朱色に彩色されているが、あまり目立たない。
熊野十二所権現の第十二位にあたる米持(こめもち)宮の本地仏が多聞天(毘沙門天)である。
菅尾(すがお)磨崖仏 覆屋
石窟は、幅 約9m、高さ 約4m、奥行 約2mで、覆屋がかけられている。
*JR豊肥本線「菅尾駅」下車、北方向へ 約2Km。
(撮影:平成23年3月12日)