三反畑(さんたんばたけ)(上自在)板碑

 三反畑(さんたんばたけ)(上自在)種子板碑(大分県豊後大野市緒方町上自在)

   高さ 約3mの巨大な板碑で、南北朝時代の作品。南朝年号 天授三年(1377)の紀年銘がある。

三反畑(さんたんばたけ)種子板碑(県指定文化財、南北朝時代後期 天授三年 1377年、安山岩、地上高 291Cm

板碑は頂部山形、下に二条の切込、薄く突出した額部に金剛界大日如来の種子「バン」、身部に釈迦三尊の種子を薬研彫する。

板碑 頭部

頭頂の山形を少々破損する。 山形の下に、深い二段の切込が入る。

縦に長い額部は、薄く突出し、中央に金剛界大日の種子「バン」を刻む 身部に四点具足の「シャカ(釈迦)」を薬研彫する

身部のほぼ全体を、四点具足の「シャカ」の梵字に充てる。「シャカ」は、梵字「シャ」・「シャ」・「カ」を合成し荘厳したものという。

板碑 下部

釈迦三尊の脇侍である、文殊菩薩の種子「マン」と普賢菩薩の種子「ウーン」を刻み、

その間に「十方檀那」「天授三(1377、南朝)丁未十一廿九」の刻銘がある

尚、釈迦三尊に関しては異論があり、中尊が一字文殊の種子「シリキエン」で、脇侍が降三世・不動の両明王の種子という説もある

身部、釈迦三尊の種子 板碑 背面

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三反畑(さんたんばたけ)(上自在)種子板碑(県指定文化財、南北朝時代後期)

永福寺跡に立ち、緒方一族の供養塔ではないかといわれている。田園の中に立つ姿は、遠くからもよく見える。

 板碑(いたび)

*JR豊肥本線「緒方駅」下車、西方向へ 約2Km。緒方駅を下りて、右方向へ 約800m位の所に「俚楽(りがく)の郷 伝承体験館」があり、レンタサイクルもしているので便利。

(撮影:平成23年3月11日、3月12日)