少林寺(しょうりんじ)〈大分県大分市木上(きのうえ)697-1〉
本堂裏に穿たれた洞窟に五基、板碑が安置されている。五基とも南北朝時代中期 貞和六年(1350)の紀年銘がある。
少林寺(しょうりんじ)金剛界大日種子板碑(中央)(南北朝時代中期 貞和六年 1350年、安山岩、高さ 147Cm)
頭部山形、下に二条の切込、額部と根部は薄く突出。身部上方に金剛界大日の種子「バン」、下方に銘文を刻む。下部で折損する |
板碑 頭部
頭部の山形は、丸みを帯びやや傷んでいる。下に二段の切込。額部は、縦に長い。
身部上方、金剛界大日如来の種子「バン」を薬研彫する | 身部下方に、願文と南北朝時代 貞和六年(1350)の紀年銘を刻む |
身部下方の銘文:「七分全得善根如件」「貞和六秊(1350)・・・・・・」
刻銘にある「七分全得」という言葉は、、生前に自分の死後の為の供養(逆修)を積んでおくと、死後におけるすべての功徳は自分が得られる。
死後の追善は、死者が益を受けること極めて少なく、福を七分して、死者が一分を得られ、六分は供養した人が受ける。逆修の功徳は全得と説く。
三基並んだ板碑の種子部
向かって左から、阿弥陀の種子「キリーク」、金剛界大日の種子「バン」、文殊の種子「マン」
洞窟は 幅240Cm、高さ202Cm、奥行き220Cmで、人工のもの。本堂裏の崖を掘り、板碑 五基を安置する |
洞窟に安置されている五基の板碑
内に二基と三基、向かい合って安置されている。金剛界大日は向かって左側三基の中央
羅漢像
門内庭園に、丸彫りの羅漢が置かれている
*JR大分駅前から大分バス 野津原方面行に乗車、「少林寺前バス停」下車、北方向へ 約200m。
(撮影:平成23年3月14日)