佐田神社(さだじんじゃ)[大分県宇佐市安心院町(あじむまち)佐田458]
四面が板碑形の角塔婆で、正面に阿弥陀三尊の種子を大きく刻み、その下方に鎌倉時代末期 元弘三年(1333)の銘がある。
佐田神社(さだじんじゃ)角塔婆(県指定文化財、鎌倉時代末期 元弘三年 1333年、凝灰岩、高さ 163Cm)
拝殿に向かって右手、奥に立っている板碑四基の右端。四面が各々板碑形で、身部上方に種子(梵字)を薬研彫する |
板碑 頭部
頭部山形は鋭く尖り、下の二条線を一周して彫る。額部(がくぶ)は、薄く突出する
身部正面の種子:「キリーク(阿弥陀)、サ(観音)、サク(勢至)」 | 正面下方の刻銘:「元弘三年癸酉八月廿日、願主示阿」 |
鎌倉時代末期 元弘三年(1333)八月二十日に願主 示阿により造立された。願主 示阿の名は並んで立つ、阿弥陀種子板碑(正慶元年:1332年銘)にもある。
正面上方の種子は、上からキリーク(阿弥陀如来)、サ(観音菩薩)、サク(勢至菩薩)で、阿弥陀三尊を形作る。
佐田神社 板碑 四基
板碑は、境内に散在していたものを一ヶ所に集めた
向かって左面の種子:「アン(普賢菩薩)、マン(文珠菩薩)」 | 背面の種子:「カーンマーン(不動明王)」 |
種子「アン(普賢菩薩)、マン(文珠菩薩)」は、釈迦三尊の両脇侍。不動明王は五大明王の中尊で、大日如来の使者。
身部、向かって左面、下方の刻銘
種子、「アン(普賢)、マン(文珠)」の下に「導師源秀、秦太子」の刻銘がある。
角塔婆 背面、カーンマーン(不動明王)の種子を薬研彫する | 向かって右面の種子(梵字) |
向かって右面の種子(梵字)は、上から薬師の種子「バイ」に修行点、地蔵の種子「カ」、真言の最後につく「ソワー・カー」が刻まれている様にみえるが、不明
佐田神社 拝殿
佐田神社 (さだじんじゃ)
*佐田神社は、安心院町佐田 佐田小学校の北西 約400m、県道42号線沿いにある。
(撮影:平成23年3月15日)