最明寺(さいみょうじ)[大分県宇佐市安心院(あじむ)町下毛1858]
全国的にも古い在銘五輪塔で、鎌倉時代中期 正元元年(1259)の銘がある。
最明寺(さいみょうじ)五輪塔(県指定文化財、鎌倉時代中期 正元元年 1259年、凝灰岩、高さ 106Cm)
風・空輪、一石からなり、空輪の先端が緩く尖る。 | ||
在銘古塔として著名な五輪塔は、境内入口近く、後設の基壇上に立つ | 水輪、球形のカーブはゆるく、上下の接触部が広い |
火 輪
軒口薄く、軒反はわずかで古調を示し、上端に露盤を作り出す
各輪の四面に月輪を線刻し、内に五輪塔四門の梵字を刻む。水輪に刻銘があり、鎌倉時代中期 正元元年(1259)の作品と知れる |
五輪塔 四門の梵字、上(空輪)から下(地輪)へ
キャ・カ・ラ・バ・ア (東方、発心門) キャー・カー・ラー・バー・アー (南方、修行門)
ケン・カン・ラン・バン・アン (西方、菩提門) キャク・カク・ラク・バク・アク (北方、涅槃門)
地 輪 正 面
地輪は低く、月輪内に梵字「ア」を刻む。地輪の梵字は、正面から右回りに
「ア(宝幢)」・「アー(開敷華王)」・「アン(無量寿)」・「アク(天鼓雷音)」で、胎蔵界四仏が刻まれている
全国的にも古い在銘塔で、大分県では中尾塔の二基に次ぎ古い | 水輪の刻銘:「正元元年(1259)己未、口五月二日」 |
三基の五輪塔
新設の基壇上に三基並んで安置されている。正元塔は向かって左端。
中央塔、風・空輪を欠失、別物を載せる。鎌倉中期と思われる | 向かって右塔、風・空輪を欠失、別物を載せる。 |
最明寺本堂 (曹洞宗)
五輪塔紀年順 | 高野山23町石五輪卒塔婆(奥院側)(鎌倉時代中期) | 五輪塔-紀年順-目次 |
*JR日豊本線 中津駅前から大分バス 安心院行きに乗車、終点 「安心院バス停」下車、西方向へ 約230m。
(撮影:平成23年3月15日)