下市磨崖仏(しもいちまがいぶつ)[大分県宇佐市安心院(あじむ)町下毛]
向かって左下から、阿弥陀坐像、制叱迦童子、上に大きく不動明王坐像、薬師如来立像、阿弥陀坐像、聖観音坐像、毘沙門天(木蔭で見えない)が刻まれている。
下市(しもいち)磨崖仏 (県指定史跡、鎌倉時代後期~南北朝時代、不動明王高さ 162Cm)
下市(しもいち)磨崖仏・不動明王坐像
不動明王坐像は、薄肉に刻まれる。右手は三鈷の剣、左手に羂索を持ち、左目は半眼、右目は大きく開き、巻髪を弁髪に束ねて左肩に垂らす。 |
右肩の横に「十一月、一日、口立」と刻まれるが、それ以外の文字は刻まれていない。
下市(しもいち)磨崖仏、阿弥陀如来坐像・制叱迦(せいたか)童子
阿弥陀坐像、定印の阿弥陀で、南東壁群と作風が似ている | 制叱迦童子、不動明王の脇侍。矜羯羅童子は刻まれていない |
下市(しもいち)磨崖仏・北東壁中央の三尊
薬師如来立像、阿弥陀如来坐像、聖観音菩薩坐像(向かって左から)(県指定史跡、阿弥陀坐像高さ 170Cm)
薬師如来立像(県史跡、高さ 175Cm) | 阿弥陀如来坐像(県史跡、高さ 170Cm) |
薬師如来 : 岩壁を舟形に薄く彫りくぼめ、右手は施無畏印、左手は薬壺を持ち、蓮華座上に立つ。衲衣は、シンプルに彫られている。
阿弥陀如来 : 二重円光背を薄く彫りくぼめ、裳懸座(もかけざ)上に坐し、定印を結ぶ。頭部は半肉彫で、下部は薄肉彫。
聖観音菩薩坐像、頭部に化仏、右手に蓮華らしきものを持つ。お顔は円満で、豊かに表現される。阿弥陀三尊の脇侍として知られる |
聖観音の向かって右手に、毘沙門天を刻む。(写真、上右)
南東壁の磨崖仏は、北東壁と作風が変わり、時代も古い。ただ、崩落したものもあり、残存する磨崖仏も傷みが激しい。
下市磨崖仏(しもいちまがいぶつ) 阿弥陀如来坐像(県指定史跡、鎌倉時代)
定印の阿弥陀如来坐像が半肉彫りされている。首の所で折れ、躰部の左側も剥落している
阿弥陀如来坐像、向かって左手の崖面上方にある | 阿弥陀如来坐像、向かって右端の崖面上方に刻まれている |
下市磨崖仏(しもいちまがいぶつ) 阿弥陀如来坐像(県指定史跡、鎌倉時代)
下市 磨崖仏 (しもいちまがいぶつ)
狛犬の左手に阿弥陀坐像が見える面が南塔壁、鳥居をくぐって覆屋の左手側が北東壁
*JR日豊本線 中津駅前から大分バス 安心院行きに乗車、終点 「安心院バス停」下車、西北方向へ 約500m。
(撮影:平成23年3月15日)