善光寺(ぜんこうじ)阿弥陀種子板碑

 善光寺(ぜんこうじ)(芝原 善光寺)(大分県宇佐市大字下時枝237)

   善光寺は、俗称 芝原(しばはら)善光寺と呼ばれる。天徳二年(958)空也上人により開かれた。板碑は、南北朝時代前期 建武四年(1337)の銘がある。

善光寺阿弥陀種子板碑(県指定文化財、南北朝時代前期 建武四年 1337年、凝灰岩、高さ 195Cm 下幅 38Cm)

本堂に向かって左側奥に立つ。頭部山形、下に二条線、身部上方に阿弥陀の種子「キリーク」、下方に諸行無常の偈と銘文を刻む

板碑 頭部

頭部山形は鋭く尖り、下に二条線。額部(がくぶ)は、面取りをし、突出する

身部、阿弥陀如来の種子「キリーク」 二条線は側面にまで及び、額部から身部に深く切り込む

身部 下方、涅槃経の偈

涅槃経の偈:「諸行無常(しょぎょうむじょう)、是生滅法(ぜしょうめっぽう)、生滅滅已(しょうめつめつい)、寂滅為楽(じゃくめついらく)

(諸行は無常である。これ生滅の法である。生滅を滅しおわりて、生も滅もない寂滅を楽しみとする)

銘文 部分:「建武四年(1337)」 身部下方の銘文

銘文:「右志者相当比丘尼穏阿」「聖霊十三廻之忌辰出離」「生死往生極楽平等利益而巳」「建武四年(1337)丁丑八月廿日、願主、敬白

板碑 根部

根部は、突出する

種子の下に偈文や長い銘文を各四行刻み、縦長に整える。刻銘の彫りが浅いのが不満だが、板碑の形態を備えた優品。

 善光寺(ぜんこうじ)二重石塔

善光寺(ぜんこうじ))二重石塔(鎌倉時代末期、凝灰岩、高さ 183Cm)

二段の基壇上に立つ。基礎側面は二区で、格狭間をつくる。軸部は無地、屋根露盤の側面は一区格狭間、宝珠は後補。

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善光寺 本堂(重要文化財、桁行 五間、梁間 五間、唐破風向拝付、本瓦葺)(浄土宗)

寺伝によると、空也上人が建立し、建長二年(1250)、文禄、元禄に修理。本尊は秘仏の善光寺式阿弥陀三尊像(県文)

 板碑(いたび)

*JR日豊本線 豊前善光寺駅前から大分交通バス 四日市行きに乗車、「国宝善光寺バス停」下車 すぐ。又は、「豊前善光寺駅」下車、徒歩 約40分。

(撮影:平成23年3月15日)