慈航寺(じこうじ)石造宝塔

 慈航寺(じこうじ)(大分県由布市挟間町篠原203)

   塔身に胎蔵界大日如来の種子を刻んだ宝塔で、鎌倉時代末期 元徳二年(1330)の紀年銘がある。

慈航寺(じこうじ)石造宝塔(県指定文化財、鎌倉時代後期 元徳二年 1330年、凝灰岩、高さ 190Cm)

塔身、四面に胎蔵界大日如来の種子「ア」を薬研彫する(東面)
門を入って奥へ、突きあたりに古墓地があり、右手に立っている 塔身、四面に胎蔵界大日如来の種子「ア」を薬研彫する(南面)

勾配は深く、軒反は緩やか。軒口は厚く、軒下に一段の垂木型、上端に側面無地の露盤を作り出す。

塔身、四面に胎蔵界大日如来の種子「ア」を薬研彫する(西面)
塔身、四面に胎蔵界大日如来の種子「ア」を薬研彫する(北面) 塔身に「元徳二(1330)庚午三廿二、阿闍梨定心」の銘文を刻む

基礎・基壇

基壇は二枚の切石、その上に背の高い基礎を載せる。基礎側面は四面とも無地

相輪は下から、蓮弁を刻んだ伏鉢・請花、九輪は四輪を残し決失する。横にある相輪残欠は別物。貴重な鎌倉時代末期の紀年銘がある

  慈航寺(じこうじ)石造宝塔

    県文の宝塔近くにも、多くの石造遺品があり、中世の宝塔を多数見ることができる。

塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を薬研彫する(キリーク:阿弥陀如来)
県文宝塔の近くにある。塔身は、美しい梵字を刻み、笠の作りも立派 塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を薬研彫する(アク:不空成就如来)

  慈航寺(じこうじ)石造宝塔

慈航寺(じこうじ)石造宝塔

入口近くにある。塔身は県文宝塔と同様、胎蔵界大日の種子「ア」を刻む

  慈航寺(じこうじ)六面石幢

笠、六角で軒口は厚い
中台を欠失し、立っている。室町時代の作品と思われる。 龕部、蓮華座上に立ち、持ち物が違う地蔵を六体刻む。(六地蔵)

  慈航寺(じこうじ)五輪塔群

慈航寺(じこうじ)五輪塔群

大小取り混ぜ、参道に立っている。四門の梵字を刻んだ大きい五輪塔もある

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慈航寺(じこうじ)(臨済宗 東福寺派)

現在は、無住の寺院となっている

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*JR久大本線「鬼瀬駅」下車、徒歩 約12分。鬼瀬駅西側の道路を約200m南へ戻り、橋を渡り北西方向へ道なりに真直ぐ歩く。

(撮影:平成23年3月14日)