家原寺(えばらじ)三重塔(大阪府堺市家原寺町1-8-20)

  行基誕生の生家を、そのまま寺院とした。高野山真言宗別格本山。

家原寺(えばらじ)三重塔(指定なし、平成元年 1989年、銅板葺、高さ20m)


三層部、中備えはなし、組高欄、三手先組物、軒は二軒繁垂木

二層部、中備えは中央間のみ間斗束、他は三層部と同じ

家原寺は慶雲元年(704)、行基37歳のとき、自身の生家を寺として開いたもので、天平二年(730)聖武天皇の勅願所となる

塔は、基壇上に建つ。高欄のない縁をめぐらし、中央間板唐戸、脇間連子窓、中備えは三間とも間斗束


二層部、組物(三手先)の配列が心に残る

初層部、三手先組物

寛元三年(1245)、叡尊が家原寺に来て、別受戒を行ってから大いに栄え中興した

本尊の文殊菩薩は、行基自身の作で、白毫に一寸八分の黄金の文殊像が納められているという。これは菩提僊那(ぼだいせんな)が、もってきたものと伝えられる


二層の組高欄と、初層の銅板葺き屋根

塔、四隅の風鐸

鋭角状に尖った屋根。初層の軒は二軒繁垂木、組物は三手先(写真:左)

家原寺南大門(におうもん)

南大門は、家原寺で最も古い建造物。現在安置の仁王像は明治時代に近郊の寺院より移設されたもの

本来のものはアメリカのワシントンにある、 フーリエ博物館に収蔵されている(運慶・快慶 作と伝えられる)

 大阪府の塔 法楽寺三重塔                            日本の塔-目次

本堂文殊堂(江戸時代 慶安元年 1648年 再建)

文殊菩薩が日本で最初に本尊に祀られたことから、合格祈願にご利益があるという。

ハンカチに願い事を書き、好きなところに貼り付ける。ハンカチの数は、年間5万枚にもなるという

* JR阪和線 津久野駅 下車、徒歩15分

(平成18年10月28日撮影)