勝尾寺(かつおうじ)五輪塔

 勝尾寺(かつおうじ)(大阪府箕面市粟生間谷2914-1)

  五輪塔は、定型化する前の古い形式で、正面に刻まれた種子(しゅじ)も筆書きのような字体で浅く彫られている。

勝尾寺(かつおうじ)石造五輪塔(府指定文化財、鎌倉時代前期、花崗岩、高さ 156Cm)

風・空輪、一石からなり、背が高く、空輪が蓮の蕾(つぼみ)形
五輪塔は、奥の院への長い石段を登った左手に安置されている 水輪、球形のカーブはゆるく、上下の接触部が広い

火 輪

屋根の勾配・軒反は、ともに緩く古調を示す。

五輪塔は、各輪の四方に五輪塔四門の梵字を、筆書きのような字体で浅く彫られる

寺伝では、源平の兵火で当寺が焼失したあと、源頼朝の命で伽藍を復興した熊谷直実の供養塔といわれている

五輪塔 四門の梵字、上(空輪)から下(地輪)へ

キャ・カ・ラ・バ・ア   (東方、発心門)               キャー・カー・ラー・バー・アー   (南方、修行門)

ケン・カン・ラン・バン・アン   (西方、菩提門)         キャク・カク・ラク・バク・アク    (北方、涅槃門)

地 輪 東 面

地輪は低く、東面は梵字「アク」を刻む。地輪の梵字は、正面 「ア」から右回りに

「ア(宝幢)」・「アー(開敷華王)」・「アン(無量寿)」・「アク(天鼓雷音)」で、胎蔵界四仏の種子が刻まれている

石標から奥の院にかけての石段の両脇にはおびただしい数の墓石がある
奥の院への石標 墓石には、五輪塔や層塔、無縫塔(むほうとう)がみられる

勝運(かちうん)祈願(勝ダルマ)

勝尾寺は、人生全てに「勝つ」とする信仰の歴史がある

 勝尾寺(かつおうじ)宝篋印塔                           石仏と石塔-目次!

勝尾寺(かつおうじ)多宝塔 (昭和六年 1931年建立、銅板葺、一辺4.32m)

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*地下鉄 千里中央駅前から阪急バス北摂霊園・希望ヶ丘四丁目行きに乗車、「勝尾寺バス停」下車 すぐ。

(撮影:平成19年3月17日、平成23年5月9日)