瑠璃光寺(るりこうじ)建治二年銘 種子板碑

 瑠璃光寺(るりこうじ)(埼玉県深谷市稲荷町北9-25)

  板碑は八分断され、境内には最下の一片が立つ。復元高は4mを越す大板碑で、干支と年から鎌倉時代中期 建治二年(1276)の在銘と知れる。

瑠璃光寺種子板碑(市指定文化財、鎌倉時代中期 建治二年 1276年、緑泥片岩、復元高 403Cm 下幅 67Cm)

復元写真では、頭部山形、下に二条線、身部は二重線の輪郭を巻く。身部上方、阿弥陀種子「キリーク」、向かって右下に不動明王の種子「カーンマーン」

左下の種子は不明、種子はすべて荘厳体で、阿弥陀種子は三弁宝珠で荘厳する。下方中央は、建治二年の紀年銘、左右に般若理趣教に出る偈(げ)を刻む。

身部下方

中央に・・・第二天丙口(1276)中秋日諸孝子憲勤敬白」左右に、般若理趣教に出る偈(げ)を刻む。

偈(げ):聖霊決定生極楽(しょうりょうけつじょうしょうごくらく)上品蓮台成正覚(じょうぽんれんだいじょうしょうがく)

菩提行願不退転(ぼだいぎょうがんふたいてん)引導三途及法界(いんどうさんずぎゅうほうかい)

[ 聖霊は必ず極楽に生まれ、上品の蓮台に正覚を成ず。菩提の行願は退転することなく、三界及び法界に導かれん。]

板碑の文字は、美しい行書体で刻まれている 板碑(部分)、側・背面

 瑠璃光寺(るりこうじ)阿弥陀一尊種子板碑

瑠璃光寺阿弥陀一尊種子板碑(南北朝時代後期 至徳二年 1385年、緑泥片岩、高さ 75Cm 幅 24Cm)

刻銘:「至徳二年(1385)、乙丑、二月十二日、善阿、口弥」

瑠璃光寺(るりこうじ)薬師堂 (市指定文化財、室町時代)

本尊は、秘仏の薬師如来。

 俵薬師(たわらやくし)阿弥陀一尊図像板碑                     石仏と石塔-目次!

瑠璃光寺(るりこうじ)仁王門 (江戸時代中期 享保年間に建立)(天台宗)

 板碑(いたび)

*JR高崎線 「深谷駅」北口下車、北北東方向へ徒歩 約20分。

(撮影:平成24年4月22日)