願成寺(がんじょうじ)(埼玉県飯能市大字川寺688-1)
数少ない禅宗の板碑で、「金剛般若経」の偈(げ)が刻まれていることから、小さいが割と有名な板碑。南北朝時代中期 康安二年(1362)の紀年銘がある。
願成寺 釈迦一尊種子板碑 (市指定文化財、南北朝時代中期 康安二年 1362年、緑泥片岩、高さ 114Cm 下幅 30Cm)
身部上方、蓮華座上に釈迦如来の種子「バク」、下方中央に紀年銘、左右に「金剛般若経」に出る偈(げ)、、願主名を刻む |
板碑 頭部
頂部山形を損傷する。下に二段の切込。身部に一重線の輪郭を巻く。
板碑 種子
蓮華座上に月輪を線刻し、内に釈迦如来の種子「バク」を薬研彫する
蓮華座上に刻まれた釈迦の種子「バク」が美しい | 中央に紀年銘、左右に「金剛般若経」に出る偈、願主名を刻む |
中央に「康安二年(1362)、壬寅、九月十三日」、左右に「応無所住」「而生其心」の偈(げ)、下方左右に「契定敬」「禅尼立」と刻む
偈(げ)
偈(げ):「応無所住(おうむしょじゅう)」「而生其心(にしょうごしん)」
[ まさに住するところなくして、その心を生ずべし ] (何物にも執着しとどまる心を去って、無住の清浄心を生ずる)
数少ない禅宗の板碑で、金剛般若経の偈(げ)が刻まれている | 刻銘:「康安二年、壬寅、九月十三日」 |
願成寺(がんじょうじ)釈迦一尊種子板碑
願成寺 釈迦一尊種子板碑 (市指定文化財、年代不明、緑泥片岩、高さ 61Cm 下幅 26Cm)
四本木(しほんぎ)の板碑 (阿弥陀種子板碑) 石仏と石塔-目次!
願成寺 板碑群
前列左側に立っているのが、康安二年(1362)銘 釈迦種子板碑
*西武池袋線 「飯能駅」下車、南方向へ徒歩 約20分。又は、JR八高線 「東飯能駅」下車、南方向へ徒歩 約21分。
(撮影:平成23年11月4日)