西光寺 正元二年銘 阿弥陀三尊種子板碑

 西光寺跡(さいこうじあと)(埼玉県飯能市大字原市場318)

  西光寺跡に立つ四基中 左から二基目の板碑で、鎌倉時代中期 正元二年(1260)の在銘。一群の中で最も古い。

西光寺 阿弥陀三尊種子板碑 (市指定文化財、鎌倉時代中期 正元二年 1260年、緑泥片岩、高さ 181Cm 下幅 57Cm)

頭部山形、下に二段の切込、身部は阿弥陀三尊の種子を蓮華座なしに薬研彫し、下方に「正元二年(1260)」の紀年銘を刻む。

板碑 頭部

頂部山形は尖り気味、下に二段の切込、額部は薄く突出する。身部は、輪郭を刻まない。

身部上方、身部に直接、阿弥陀三尊の種子を薬研彫する 身部下方、中央に「正元二年(1260)庚申、二月六日」と刻む

阿弥陀三尊種子

上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」、向って右下 に観音菩薩の種子「サ」、左に勢至菩薩の種子「サク」を刻み阿弥陀三尊とする。

三尊とも蓮華座は刻まない。

移設の際 洗浄され、重厚感のある美しい姿によみがえっている。 刻銘:「正元二年(1260)庚申、二月六日」

石村喜英氏は、「板碑の総合研究 総論編」(柏書房、坂詰秀一編)私年号項で「正元」を「正久」と読み、干支及び形状から「正元二年(文応元年:1260)」に該当する私年号と述べている。

 西光寺(さいこうじ)正和四年銘 阿弥陀三尊種子板碑                 石仏と石塔-目次!

西光寺 阿弥陀三尊種子板碑 四基 (市指定文化財、鎌倉時代)

板碑は、左端から弘長元年(1261)、正元二年(1260)、正和四年(1315)、正和元年(1312)の紀年銘がある。

四基の板碑は現在地の裏側、墓地内上段にある歴代住職の墓石と並んで立っていた。

平成23年度(2011)に修復・洗浄の上、現在地に設置された。(現在の地上高は、左から214Cm・175.5Cm・164.5Cm・154Cm)

 板碑(いたび)

*西武池袋線 飯能駅又はJR八高線 東飯能駅西口から国際興業バス 原市場方面 行きに乗車、 「赤工(あかだくみ)バス停」下車 北西方向へ徒歩 約4分。

(撮影:平成24年11月8日)