西光寺 正和四年銘 阿弥陀三尊種子板碑

 西光寺跡(さいこうじあと)(埼玉県飯能市大字原市場318)

  西光寺跡に立つ四基中 右から二基目の板碑で、鎌倉時代後期 正和四年(1315)の在銘。一群の中で最も新しい。

西光寺 阿弥陀三尊種子板碑 (市指定文化財、鎌倉時代後期 正和四年 1315年、緑泥片岩、高さ 163Cm 下幅 44Cm)

板碑は、身部を大きく損傷する。頭部山形、下に二段の切込、身部は阿弥陀三尊の種子を蓮華座上月輪内に薬研彫し、下に紀年銘を刻む。

板碑 頭部

頂部山形はやや低く、下に二段の切込、額部は薄く突出する。身部は、一重線の輪郭を刻む。

身部、阿弥陀三尊の種子を蓮華座上月輪内に薬研彫する 身部下方、中央に「正和四年(1315)乙卯、二月口口」と刻む

阿弥陀三尊種子は、上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」、向って右下 に観音菩薩の種子「サ」、左に勢至菩薩の種子「サク」を刻み阿弥陀三尊とする。

三尊とも蓮華座上月輪内に刻まれている。尚、三尊種子の下に薄く文字痕が認められ、偈(げ)が刻まれていたかもしれない。

惜しくも、阿弥陀三尊種子「サク:勢至菩薩」の部分を欠損する。 刻銘:「正和四年(1315)乙卯、二月口口」

西光寺 阿弥陀三尊種子板碑群 背面 (市指定文化財、鎌倉時代)

四基の板碑は現在地の裏側、墓地内上段にある歴代住職の墓石と並んで立っていた。

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西光寺 阿弥陀三尊種子板碑 四基 (市指定文化財、鎌倉時代)

板碑は、左端から弘長元年(1261)、正元二年(1260)、正和四年(1315)、正和元年(1312)の紀年銘がある。

平成23年度(2011)に修復・洗浄の上、現在地に設置された。(現在の地上高は、左から214Cm・175.5Cm・164.5Cm・154Cm)

 板碑(いたび)

*西武池袋線 飯能駅又はJR八高線 東飯能駅西口から国際興業バス 原市場方面 行きに乗車、 「赤工(あかだくみ)バス停」下車 北西方向へ徒歩 約4分。

(撮影:平成24年11月8日)