慈光寺(じこうじ)胎蔵界大日種子板碑

 慈光寺(じこうじ)(埼玉県比企郡ときがわ町西平386)

  慈光寺は、坂東三十三ヶ所第九番霊場。白鳳のころの開基とされる天台宗の大寺院。板碑は、法印重尊の逆修供養のため寛正五年(1464)、彼岸の中日に造立した

慈光寺 胎蔵界大日種子板碑(県指定文化財、室町時代中期 寛正五年 1464年、緑泥片岩、高さ 218Cm 下幅 68Cm

頭部山形、身部上方に胎蔵界大日(五点具足)の種子、下方中央に「法印重尊、逆修」、紀年銘、左右に涅槃経に出る偈を刻む

板碑 頂部

頭部山形、下に二段の切込、身部は一重の輪郭線を巻く。

胎蔵界大日如来(五点具足)の種子「アーンク」

身部上方、蓮華座上の月輪内に薬研彫する。

身部下方の刻銘 刻銘:蓮華座上輪郭内に「法印重尊」

身部下方の刻銘

中央に「法印重尊、逆修、寛正五年(1464)甲申二月時正、敬白、左右に涅槃経に出る偈「諸行無常 是生滅法」「生滅々已 寂滅為楽」

「法印重尊」の逆修供養のため寛正五年(1464)、彼岸の中日(春)に造立した。

諸行無常   是生滅法   生滅々已   寂滅為楽

涅槃経に出る偈(げ)

偈(げ):「諸行無常(しょぎょうむじょう)是生滅法(ぜしょうめっぽう)」「生滅々已(しょうめつめつい)寂滅為楽(じゃくめついらく)

[ 諸行は無常である。これ生滅の法である。生滅を滅しおわりて、生も滅もない寂滅を楽しみとする。]

慈光寺参道(三門跡)に九基立つ、向かって右端の板碑 刻銘:寛正五年(1464)甲申二月時正、敬白

慈光寺(じこうじ)板碑群、向かって右端から三基

向かって右端が、寛正五年銘 胎蔵界大日種子板碑

慈光寺(じこうじ)種子板碑群(県指定文化財)全景(鎌倉時代中期~室町時代中期、計 9基の板碑が並ぶ)

 慈光寺(じこうじ)徳治二年銘阿弥陀種子板碑                        石仏と石塔-目次!

慈光寺(じこうじ)観音堂(町指定文化財、江戸時代後期 享和三年 1803年、平成九年修復、銅板葺

本尊は秘仏の千手観音(県指定文化財、頭部 室町時代 胴部 江戸時代)で、毎年四月第二日曜日と十七日に開扉される。

 板碑(いたび)

*東武東上線 武蔵嵐山駅西口またはJR八高線 明覚駅前から「ときがわ町路線バス」に乗車、「せせらぎバスセンター」で乗り継ぎ「慈光寺バス停」下車、バス道を少し下る。又は、「慈光寺入口バス停」下車 徒歩 約30分。

(撮影:平成20年3月23日、平成24年4月20日)