慈光寺(じこうじ)阿弥陀種子板碑(断碑)

 慈光寺(じこうじ)(埼玉県比企郡ときがわ町西平386)

  慈光寺参道に立つ九基の板碑中、最古の板碑で鎌倉時代中期 弘安七年(1284)の紀年銘がある。

慈光寺阿弥陀一尊種子板碑(県指定文化財、鎌倉時代中期 弘安七年 1284年、緑泥片岩、高さ 123Cm 下幅 43Cm

板碑上半を欠失、阿弥陀の種子「キリーク」の一部と蓮華座を残す。身部下方に紀年銘と涅槃経に出る「諸行無常」の偈を刻む

板碑 頭部

板碑上半を欠失する。身部は、一重線の輪郭を巻く。

身部下方の刻銘は、格調の高い草書体で刻まれている 身部下方刻銘、中央に紀年銘、左右に「涅槃経」に出る偈を刻む

身部、下方中央に「弘安七年(1284)甲申八月日、敬白、左右に「涅槃経」にでる「諸行無常」の偈(げ)を刻む。

諸行無常   是生滅法   生滅々已   寂滅為楽

涅槃経に出る偈(げ)

偈(げ):「諸行無常(しょぎょうむじょう)是生滅法(ぜしょうめっぽう)」「生滅々已(しょうめつめつい)寂滅為楽(じゃくめついらく)

[ 諸行は無常である。これ生滅の法である。生滅を滅しおわりて、生も滅もない寂滅を楽しみとする。]

刻銘:「弘安七年(1284)甲申八月 板碑は、慈光寺参道に立つ九基のなかで最古の紀年銘を持つ

慈光寺(じこうじ)種子板碑群(県指定文化財)全景(鎌倉時代中期~室町時代中期、計 9基の板碑が並ぶ)

弘安七年(1284)銘断碑は、板碑群の向かって右から七基目、十三仏板碑の左横に立つ。

 慈光寺(じこうじ)阿弥陀三尊種子板碑                          石仏と石塔-目次!

慈光寺(じこうじ)(天台宗)

 板碑(いたび)

*東武東上線 武蔵嵐山駅西口またはJR八高線 明覚駅前から「ときがわ町路線バス」に乗車、「せせらぎバスセンター」で乗り継ぎ「慈光寺バス停」下車、バス道を少し下る。又は、「慈光寺入口バス停」下車 徒歩 約30分。

(撮影:平成20年3月23日、平成24年4月20日)