慈光寺(じこうじ)(埼玉県比企郡ときがわ町西平386)
阿弥陀三尊の種子を刻んだ板碑で、南北朝時代 文和四年(1355)六月に 権少僧都長厳の逆修供養のために造立された。
慈光寺阿弥陀三尊種子板碑(県指定文化財、南北朝時代前期 文和四年 1355年、緑泥片岩、高さ 137Cm 下幅 39Cm)
頭部山形を損傷する。身部は、上方に阿弥陀三尊の種子を蓮華座上に薬研彫し、下方に願文、紀年銘、光明真言を刻む |
板碑 頭部
頭部山形と、下の二段の切込を欠損。塔身は一重線の輪郭を巻く
蓮華座上に刻まれた阿弥陀三尊の種子 | 身部下方の刻銘 |
阿弥陀三尊は、上に大きく阿弥陀如来の種子「キリーク」、その下向かって右側に観音の種子「サ」、左側に勢至の種子「サク」を薬研彫する
身部下方の刻銘
中央に「文和二二(四)秊(1355)乙未六月十七日」、下方右側に「右宝塔皆修造之、権少僧都長厳」、
左側に「逆修敬白」「六十六部行者幷・・・」の刻銘がある。また、紀年銘の左右に各二行、光明真言を刻んでいる。
文和四年(1355)六月十七日 権少僧都長厳の逆修供養のために造立された
光明真言と紀年銘
中央に「文和四年(1355)」の紀年銘、左右に各二行 梵文光明真言を刻む。
光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ」「シャ、ナ、マ、カー、ボ、ダラ」 「マ、ニ、ハン、ドマ、ジンバ、ラ」「ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」
左側刻銘:「逆修敬白」 | 右側刻銘:「右宝塔皆修造之」 | |
「六十六部行者幷・・・」 | 「権少僧都長厳」 |
板碑下方、左右の刻銘
左側の刻銘「六十六部行者幷・・・・」の字体が異なり追刻の可能性あり。
慈光寺(じこうじ)種子板碑群(県指定文化財)(鎌倉時代中期~室町時代中期、計 9基の板碑が並ぶ)
阿弥陀三尊種子板碑は、向かって左から二基目
慈光寺(じこうじ)嘉暦二年銘 阿弥陀種子板碑 石仏と石塔-目次!
坂東三十三ヶ所 第九番霊場 慈光寺(じこうじ)観音堂入口 石段
*東武東上線 武蔵嵐山駅西口またはJR八高線 明覚駅前から「ときがわ町路線バス」に乗車、「せせらぎバスセンター」で乗り継ぎ「慈光寺バス停」下車、バス道を少し下る。又は、「慈光寺入口バス停」下車 徒歩 約30分。
(撮影:平成20年3月23日、平成24年4月20日)