龍興寺(りゅうこうじ)(埼玉県加須市上崎1890)
碑面に「青石卒都婆」と刻まれており、「板碑」の呼称について一石を投げかけた有名な作品。鎌倉時代中期 文永八年(1271)の紀年銘がある。
龍興寺 板碑(青石卒都婆)(県指定史跡、鎌倉時代中期 文永八年 1271年、緑泥片岩、高さ 166Cm 下幅 61Cm)
板碑上方を欠失し、枠で補強する。残存部の上方中央に紀年銘、左右に造立趣旨、下方中央に勧進者名、左右に多数の交名を刻む |
板碑 残存部上方
上方に「文永八年(1271)」、向かって左側「青石卒都婆」と刻まれていた。
残存部、上方の刻銘 | 身部の刻銘(現地説明板) |
残存部上方は、中央に「文永八年(1271)辛未二月口口日」、左右に「造立趣旨」を刻む。
造立趣旨:「右志者毎月廿四日結衆奉造立」 「青石卒都婆現当二世利益衆生也」
仏教的作善の為、毎月の二十四日に集まる人々が、今生(こんじょう)と後生(ごしょう)の恩恵が得られることを願い、この「青石卒都婆」を造立した。
(毎月 二十四日は、地蔵菩薩の縁日にあたるため、地蔵信仰と関係があるのかもしれない。)
上方の刻銘、中央に「文永八年(1271)辛未二月」 | 下方の刻銘、中央に「大勧進口口賢 敬白」 |
板碑は、身部に二重線の輪郭を巻いている。
残存部、下方の刻銘
残存部下方は、中央に「大勧進 口口賢 敬白」、左右各二行に「新平三入道清太入道・・・・・・」等の交名を多数刻んでいる。
上方、向かって左側の刻銘:「青石卒都婆現」 | 上方中央の刻銘:「文永八年(1271)」 |
龍興寺(りゅうこうじ) (臨済宗円覚寺派)
龍興寺 「青石卒都婆」銘板碑 収容小堂
*JR高崎線「鴻巣駅」東口から鴻巣市バスフラワー号 広田・共和コース(左回り)に乗車、「上会下新田バス停」下車 北方向へ 約1.2Km。又は、東武伊勢崎線「加須駅」から北へ約250mの場所にある「加須市商工会館」に無料レンタサイクルがあるので、利用するのが便利。
(撮影:平成24年4月24日)