寿命院(じゅみょういん)(埼玉県北本市深井4-55)
板碑は鎌倉時代中期 建長三年(1251)の在銘で、北本市では第四位の古さをもつ。武蔵型板碑における天蓋の初現と思われる。
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頭部山形を欠損する。身部上方 天蓋(てんがい)の下、蓮華座上に阿弥陀如来の種子「キリーク」、下方に紀年銘を刻む |
寿命院阿弥陀一尊種子板碑(市指定文化財、鎌倉時代中期 建長三年 1251年、緑泥片岩、高さ 115Cm 下幅 38Cm)
身部 上方
身部は一重線の輪郭を巻き、種子上部を優美な天蓋(てんがい)で飾る
武蔵型板碑における天蓋の初現は、建長三年であるから、この板碑だろう
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身部下方、輪郭内を浅く彫り沈め「建長三年辛亥八月」の紀年銘を刻む | 刻銘:「建長三年(1251)辛亥八月」 |
板碑は上半を欠失する。南北朝時代前期 観応二年(1351)の在銘で、下部の左右に光明真言を刻んでいる。
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寿命院光明真言断碑(南北朝時代前期 観応二年 1351年、緑泥片岩、高さ 60Cm 下幅 24Cm)
銘文:中央に「観応二年(1351)正月十一日」の紀年銘
左右に光明真言「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ」「シャ、ナ、マ、カー、ボ、ダラ」 「マ、ニ、ハン、ドマ、ジンバ、ラ」 「ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」を梵字で刻む
南北朝時代中期 貞治三年(1364)の在銘で、完存する。
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寿命院 阿弥陀一尊種子板碑(南北朝時代中期 貞治三年 1364年、緑泥片岩、高さ 70Cm 下幅 21Cm)
頭部山形、下に二段の切込。身部は薄い一重の輪郭を巻く。身部上方、蓮華座上に阿弥陀如来の種子「キリーク」を薬研彫し、下に紀年銘を刻む。
刻銘:下部中央に「貞治三年(1364)、十二月、十六日」の紀年銘
寿命院(じゅみょういん)板碑群
覆屋の下、小型板碑が並んで立っている。向かって左端から二番目が貞治三年(1364)銘、四番目が観応二年(1351)銘の板碑。
寿命院(じゅみょういん)釈迦三尊種子板碑
石仏と石塔-目次!
寿命院(じゅみょういん)本堂 (真言宗智山派))
寿命院は、文明年間(1469~87)の創建。戦国時代に地元を支配していた深井氏により再興された。
*JR高崎線 北本駅東口から鴻巣駅経由免許センター行きバスに乗車、「東間バス停」下車、北東方向へ徒歩 約14分。鴻巣駅前にレンタサイクルがあり、便利に利用できる。
(撮影:平成23年11月2日)